2021-06

2018・4・4(水)東京・春・音楽祭 レオンスカヤのシューベルトⅠ

      東京文化会館小ホール  7時

 エリーザベト・レオンスカヤの、6回にわたるシューベルトのピアノ・ソナタ連続演奏。「さすらい人幻想曲」を含む、全曲完成されたソナタ等19曲がプログラムに組まれている。
 今日はその初日で「第1番ホ長調D157」「第4番イ短調D537」「第17番ニ長調D850」。

 初期のソナタにも、それなりの活気と親しみやすさはある。だがそれらの作品では、ヤマハのピアノを使った、やや重く翳りのある音色で覆われた演奏が何かひとつ、ヴェールを剥ぎ取りたくなるようなもどかしさを感じさせてしまうのだ。

 しかし後期のソナタ「D850」に至ると、作品自体の風格の大きさもあって、最初の音が響きはじめた瞬間から、もうその魅力のとりこにさせられてしまう。それに今日のレオンスカヤの演奏も、この「D850」が圧巻だった。
 お年のせいか、時にほんの僅か、舌がもつれるような感じで音がもつれる瞬間があるのは否定できないにしても、それをも情感の深さでカバーしてしまうのが、彼女の演奏なのである。

 その音楽は、何ともあたたかい。長い人生を送って来た女性のもつ温かさとでもいったような表情に充ち溢れている。その一方で、まるでベートーヴェンのソナタを聴くかのような、音楽をひたすら前へ推し進める嵐のような力と、芯の強い毅然たる意志力も、この「D850」の演奏には備わっていたのだった。

 このレオンスカヤのシューベルト・ツィクルスは、聴きものだ。全部は聴けないけれど、せめてあと二つくらいは聴きに行きたいものである。

コメント

レオンスカヤのシューベルト全曲。面白そうですね。
もういい歳ですね。
後期の3大ソナタがプログラミングされたもの行きたいです。
彼女のCDは、チャイコフスキーのグランドソナタ/展覧会の絵を持っています。

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