2019-04

2018・3・29(木)川瀬賢太郎指揮東京混声合唱団

     よみうり大手町ホール  7時

 川瀬賢太郎が東京混声合唱団定期に登場するのはこれが初の由。

 前半には、マーラーの歌曲等をゴットヴァルトが無伴奏合唱曲に編曲した「思い出」「美しいラッパの鳴るところ」「青い双の眼」「原光」「われはこの世に忘れられ」「3人の天使が歌う」、そして「アダージェット」を編曲した「夕映えの中で」が歌われた。
 そして後半には、無伴奏でバーバーの「アニュス・デイ」(「弦楽のためのアダージョ」の編曲版)、津田裕也のピアノが加わって村松崇継の「あなたへ」(委嘱曲、初演)と、三善晃の「五つの童画」というプログラムが歌われた。

 面白いプログラムだったが、しかし最初のマーラーの作品集の演奏には、大いに疑問がある。編曲がそうなっているのか、それともすべて演奏のせいなのか、とにかく平板で、メリハリが皆無なのだ。歌詞にも、旋律にも、リズムにも、生きた表情の変化というものが感じられない。歌詞の意味が全く伝わって来ないのである。

 たとえば「美しいラッパの鳴るところ」。原曲ではこの世ならざるところから遠く響いて来るラッパの神秘的な旋律に、この編曲では「ラタプラン」という歌詞が当てられ、原曲とは全く異なったイメージの合唱曲に換えられている━━ということらしい。・・・・とすれば、それ自体が怪しからぬ話だが、たとえそうにしても、その部分と、歌詞本体とのニュアンスの違いは、一本調子にではなく、もっと明確にコントラストを付けて歌われるべきではないのか。

 「青い双の眼」でも━━これは「さすらう若人の歌」第4曲の「愛しい彼女の青い眼が」のことだが━━主人公の心の裡が次第に変化して行くように歌われるべき歌詞が、殆ど表情に変化のない、単調な歌い方で最後まで行ってしまったのだ。つまり、歌詞が、歌詞として歌われていない、ということなのである。これは、指揮者に第一の責任があるだろうと思う。

 第2部の方は、息の長いハーモニーを持った「アニュス・デイ」と、それに日本語の歌だから、東混としてはお手のものだろうし、事実、まことに結構な演奏であった。曲の出だしのアインザッツが合わないというケースが一度ならずあったけれども、これは指揮者との呼吸の問題であろう。
 日本の歌曲で参加したピアノの津田裕也がなかなかいい。

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