2019-06

2018・3・22(木)大植英次指揮大阪フィルハーモニー交響楽団

     ザ・シンフォニーホール  7時

 大阪フィルの創立70周年とザ・シンフォニーホールの開館35周年を記念する演奏会。
 同楽団桂冠指揮者・大植英次が登場、ベートーヴェンの「英雄交響曲」とR・シュトラウスの「アルプス交響曲」という重量級のシンフォニー・プログラムを演奏した。「英雄、アルプスに登る」というわけか。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 大植英次の指揮を大阪フィルとの演奏で聴くのは、昨年4月25日の「カルミナ・ブラーナ」以来、1年ぶりだ。
 彼の指揮のスタイルは、ある時期ごとに、あるいはレパートリーごとにさまざまに変わるので、些か把握し難いところがあるが、今日の「英雄交響曲」の演奏などを聴くと、その音楽のつくり方に、20年前のミネソタ管弦楽団音楽監督時代のような、すっきりした率直な推進性が少し戻って来たような感がある。
 もちろんこれは、ベートーヴェンの交響曲だからでもあろう。それに、あの頃よりも表情が濃くなっていることは、間違いない。

 「アルプス交響曲」も、エネルギッシュで、起伏に富んだ演奏だった。
 長い全曲の中に於ける「日の出」、「頂上」、「嵐」という3つのクライマックスの築き方、そこへの持って行き方も、大植英次は相変わらず巧い。これらの個所では大阪フィルのパワーも目覚ましく、ホールを揺るがせる全管弦楽の咆哮が、全く刺激的な音にならずに響くところも好ましい。「日の出」での輝かしい音色と威力的な演奏など、見事なものだと思った。

 欲を言えば、そのあとの登山以降、パノラマのように移り変わって行くさまざまなモティーフがもう少し明確に浮き彫りになってくれていたらと思う。嵐の中を下山する場面での音楽の流れが暴風雨の描写一辺倒になっては、主題再現部としての意味が曖昧になろう。トランペット群のアインザッツにはもっとデリカシーが欲しい一方、弦は随所で美しさを示した。

 大植は、カーテンコールでは相変わらずパフォーマンス的な仕種を見せた。だが、聴衆とオーケストラからは、懐かしさを持って迎えられていたように感じられた。
    →別稿 モーストリー・クラシック 6月号 公演Reviews

コメント

大植=大フィルのアルプス交響曲は2年前にびわ湖ホールで聴きました。そのときは意外と(失礼!)繊細な演奏だと思ったのですが、今回はホールの違いもあるでしょうが、先生のおっしゃる通り、音圧に驚きました。この2年の奏者の若返り効果もあるのでしょうか?
今年も大植=大フィルはびわ湖ホールの音楽祭(LFJではなくなりました)に登場するようです。

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