2020-05

9・15(月)二期会「エフゲニー・オネーギン」最終日

  東京文化会館

 12日(初日)とは別キャストで、こちらの方が若い世代が多い。

 そのためか、役柄表現――演技はまだまだこれからという人が多く、特にタチヤーナ役やレンスキー役の歌手は、演技以前の――素人芝居の段階にあると言わなければならない。ただ、みんな声楽的には非常に期待が持てる人たちばかりなので、何とか外国の歌手を見習って、1日も早く本格的なオペラの演技を習得して欲しいと願うこと切である。

 しかしその中で、オネーギンを歌った与那城敬は一歩先んじた存在だ。これで声楽的にも演技的にも研鑽を積めば、わが国のオペラ界のトップスターになれることは間違いあるまい。例のラストシーン――タチヤーナが破り捨てるかつての「手紙」を必死に掻き集めて彼女にすがっていたオネーギンが、彼女の最後の言葉を聞くや、ついに逆ギレ状態になり、こんな馬鹿馬鹿しい役回りなどごめんだという顔で紙切れを放り出し、立ち去るあたりの歌唱と演技は、初日の黒田博に勝るとも劣らぬ出来であった。

 この幕切れの場面は、コンヴィチュニー得意の一種のオチというべきか、面白い発想である。このあと、幕が上がって人々が整列しているのが見え、オネーギンもその中に入って行き、これまでのことはすべて茶番劇だったと言わんばかりに冷静に戻る。音楽が終ってもタチヤーナだけが一人ムキになったまま、延々と手紙を破っているという設定は少々蛇足に見えるけれども、この物語の「シリアスな女」と「シニカルな男」の対比を描き出すには、役立っているだろう。あるいは、ムキになっている女は相手にせず、という男のメンツを最後に保たせた設定、ということにもなるか?
    詳細グランドオペラ 2009 春号

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/289-27db21b4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

お知らせ

●2007年8月以前のArchivesを順次、アップロード中です。併せてご覧下さい。
2007年8月
2007年7月
2007年6月
2007年5月
2007年4月
2007年3月
2006年8月
2006年7月
2006年4月
2006年3月
2005年12月
2005年8月
2005年4月
2005年3月
2004年4月

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」