2021-06

2018・1・25(木)チョン・ミョンフン指揮東京フィルハーモニー交響楽団

      サントリーホール  7時

 モーツァルトの「交響曲《ジュピター》」とベルリオーズの「幻想交響曲」を組み合わせたプログラム。コンサートマスターは近藤薫。

 「ジュピター」が始まった時、何と柔らかい音か、と驚かされる。演奏の表情も何かしらおっとりとしていて、春風駘蕩といった趣きなのだ。所謂「ジュピター」というニックネームから連想される威容とか、スケール感とか、風格とかいった先入観念にこだわることがなく、穏やかでおとなしい。第2楽章など、夢幻的でさえあり、瞑想的でさえある。
 だがもともと「ジュピター」などという名前には、モーツァルト自身は関わりないものだから、このハ長調の交響曲をこのようなアプローチで演奏したって、別に問題はないはずだろう。それでも第1楽章や第4楽章の終結など、ここぞという個所になると、ぐいと力感を強めて締め括るあたり、チョンも「持って行き方」を充分心得ている。

 それにしても彼は、オペラを指揮する時には速めのイン・テンポで、素っ気ないほどの勢いで押し通す人なのに、シンフォニーの演奏になると、逆に遅めのテンポを採って端然たる音楽をつくる。以前よりもそれが目立って来たのではないか。
 後半に演奏された「幻想交響曲」でも、いわゆる標題音楽的な、ドラマティックな表現は影を潜めているように感じられた。ベルリオーズを古典派音楽的に解釈する、という手法か。東京フィルも極めて緻密な演奏を聴かせ、「幻想」の後半2楽章では剛直な力感も漲らせていた。

コメント

モーツァルト?

東条先生 いつも楽しく拝読しています。
さてモーツァルトですが、チョンの指揮ではいかにも柔らかくゆっくり演奏しています。そして先生のここぞというところでいかにも一生懸命力をこめていますみたいなやらせ?を感じてしまうのは私がひねくれているからでしょうか。もう少し普通=自然な方がモーツァルトの疾走する悲しみみたいな感じが伝わるのではと感じました。

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