2021-06

2017・12・13(水)オペラファクトリー北海道 旗揚げ公演

     円山カンタービレ(札幌)  3時、5時、7時

 羽田発9時のANA055便で札幌へ向かう。
 氷点下何度だとか、吹雪だとか、市内の道路はスケートリンク状態だとか、さんざん脅かされ、期待して(?)向かったのだが、いざ着いてみれば、新千歳も快晴、札幌市内も晴、道路もそれほど凍ってはおらず。昼頃の市内はマイナス2度とかで、凛冽たる寒さだが、空気は気持がいい。

 会場の「円山カンタービレ」は、札幌市内の南1条西19丁目にあるクラシック音楽のバー。20数名の客席だが、ミニ・リサイタルもしばしば開催しているという。
 今日はここで「カルメン」の抜粋が演奏された。出演は、大平まゆみ(札響コンサートマスター)、荒木均(同チェロ)、伊藤千尋(ピアノ)、岡崎正治(ドン・ホセ、北海道二期会)、中原聡章(エスカミッロ)、松田久美(カルメン、札幌室内歌劇場)、亀谷泰子(ミカエラ、LCアルモニカ)。

 岡崎さんと中原さんが、短い繋ぎのセリフを入れるなどして総計40分の長さのミニ・オペラに構成。オケ・パートの三重奏への編曲と日本語訳詞は岡崎さんが担当している。
 岡崎さんは、2015年1月に北海道二期会公演のセミステージ形式上演「アイーダ」で堂々たるラダメスを歌っていたのを聴いたことがあるが、こういうことまでやるとは、大変な多芸多才だ。もっとも、荒木さんにしても行政書士と居合道の人だというから、音楽家は凄いものである。

 とにかく全員が入魂の大熱演。歌手のフル・ヴォイスで、小さなバーも家鳴り震動、壁に懸けてあるグラスがチリチリと鳴る勢い(誇張ではなく、リハーサルの時には本当にそうだったと、店のマスターの浜谷洋さんが言っていた)で、3回公演とも満席のお客さんたちを喜ばせていた。

 たとえ室内楽編曲による抄演であっても、オペラに馴染みのない人にその楽しさを知ってもらうという意味でも、これは有意義な試みである。しかし、この「オペラファクトリー北海道」の立ち上げの目的は、それだけではない。来年秋に杮落しとなる札幌文化芸術劇場(愛称hitaru)が、北海道のオペラ団体やグループの活発な活動の場となることをアピールする目的も含まれているという。

 私のように外部から見ていても、たしかにこの新しく建てられる劇場が負うべき、北海道の音楽文化に於ける責任は、極めて大きなものがあると思える。道外から演奏者を招聘してオペラを上演するのも結構だが、それとは別に、地元のオペラを積極的に支援し、育成する使命を負う必要があるだろう。いっぽう地元のオペラ団体も━━「ひろしまオペラルネッサンス」のように━━各団体が結集して優れたオペラ上演を実現すべく、協力すべきではなかろうか。
 いずれにせよ、地元のオペラが育たなければ、北海道オペラ界は、単に植民地に留まってしまう。

 ━━そういう将来の目的を掲げ、既存のオペラ団体の枠を超えて歌手が協演した今回の「カルメン」。小さな一歩だが、応援したいものである。

コメント

アウトソーシング

札幌にオペラが上演可能なホールが出来たのは嬉しいですが、最初から自主制作をする気が全く無いように見えるのは残念ですね。地元の皆様の奮起を期待したいところです。

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