2021-06

2017・12・9(土)清水和音 ベートーヴェン4大ピアノソナタ

     東京オペラシティ コンサートホール  6時 (後半のみ)

 新国立劇場での「ばらの騎士」が終ったのは6時15分頃だったか。席が列の真中だったし、さっさと出るのは演奏者に対して非礼だから、いつも通りカーテンコール3回分ほど拍手を贈って、周囲の客の動きに合わせて外に出る。

 隣のオペラシティコンサートホールでは清水和音がベートーヴェンの4大ピアノ・ソナタ━━「悲愴」「ワルトシュタイン」「月光」「熱情」というリサイタルを開催している。その後半の2曲だけ、聴くことができた。

 清水さんの演奏を初めて聴いたのは、彼が1981年に20歳でロン=ティボー国際コンクールに優勝したその翌年だった。私がFM東京で、各国コンクールで優勝または上位入賞した若手奏者を集めた協奏曲演奏会(他に若き日の藤井一興さん、漆原啓子さん、工藤重典さん、三上明子さん、山畑るに絵さん、山下和仁さん、藤原真理さんら、錚々たる人たちが出演した)を、2日連続で東京厚生年金会館から公開生中継する番組を制作・演出した時である。

 あの時には、彼はチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を、冒頭から猛烈な迫力で弾きはじめ、そして猛烈なテンポで弾きまくり、聴衆を大いに沸かせたものだったが、━━特にゲネプロで彼が弾きはじめた時には、客席で準備をしていた営業や代理店などの関係スタッフ全員がびっくりしてステージの方を振り向き、そのまましばらく聴いていたのを、今でも記憶している。

 それから幾星霜を経た今も、清水和音のその「やんちゃ坊主」のような音楽的姿勢は、ほとんど変わっていないようだ。
 言い換えれば、妙に円熟したり、悟ったように落ち着いてしまったりするところのない演奏が、彼・清水和音の魅力のひとつだろう。この日の「月光」と「熱情」も、まっすぐで、剛直で、骨太で━━非常に気持よかった。
 「ばらの騎士」の毒気(?)を払うかのようなこの演奏、何か不思議に清々しい気分になって、ホールをあとにしたのだった。

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