2021-06

2017・12・3(日)フィリップ・ヨルダン指揮ウィーン交響楽団

      サントリーホール  2時

 Philippe Jordan━━わが国ではフィリップ・ジョルダンと表記されているが、どうやらヨルダンと発音するのが正しいのだそうで。しかし、父君のアルミン・ジョルダン以来、「ジョ」で通って来たからには、知名度を重視するマネージメントとしても、そうすぐ変更するわけにも行かないらしい。

 とにかく、売れっ子の指揮者だ。パリ・オペラ座とウィーン響のシェフを兼任、2020年からはウィーン国立歌劇場の音楽監督になることも決まっている。今年夏にバイロイトで「ニュルンベルクのマイスタージンガー」を聴いた時には、少し軽量級には感じられたとはいえ、この曲でバイロイトのオケをこんなに美しく響かせた指揮者は初めて聴いたという気がしたほどである。
 ウィーン響の首席指揮者となったのは、2014年秋のシーズンのこと。

 今日はベートーヴェンの「第5交響曲ハ長調」と、ブラームスの「第1交響曲ハ短調」を組み合わせたプログラムだった。
 私の個人的な印象としては、ブラームスの「1番」の演奏の方が、ヨルダンの指揮の個性が出ていたように感じられて面白かった。たとえば第1楽章の序奏冒頭で、フォルテを更にクレッシェンドさせる個所(8小節目、8分の9拍子に変わるところ)で、ふつうの指揮者と違い、一度弱音に落してから漸強に入る、ということをやる指揮者なのである、彼は。

 それよりもこの第1楽章の中で、神秘的な楽想の個所を思い切り不気味に演奏させ、そこから次第に激しく明るい表情に高潮させて行くあたりのヨルダンの呼吸が実に巧いのには感心した。
 ブラームスの交響曲をオペラ的に演奏する、などという意味ではないけれども、彼が手練手管を尽くして念入りに書き上げたこの交響曲のスコアを、こんなに細かい劇的な表情の変化を以って読み解くとは、さすがにオペラで場数を踏んでいる指揮者だけのことがある、と大いに感心したのである。

 少なくとも今の段階では、古典派の交響曲よりも、ロマン派の劇的な性格を備えた交響曲の方が、彼ヨルダンの個性には合っているのではないか、という気もする。もちろん即断は避けるべきだが、それにしてもこれは興味深い指揮者だ。将来は、更に大物になるだろう。

 ウィーン響は、しっとりした響きではあったが、素朴で、生真面目で、色彩感にも乏しい。だが、1960年代にサヴァリッシュの指揮で初めて聴いて以来、プレートルや、フェドセーエフや、ルイージら歴代首席指揮者のうちの何人かの指揮で聴いた時も、たいてい同じ印象だったことを思い出す。

 アンコールは、ブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」と、J・シュトラウスⅡの「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。いずれも弦16型編成のままで演奏したため、かなりシンフォニックな感になっていた。

コメント

初シンフォニカ

お疲れ様です。
聴きたいとは思っていたのですが、私にとっては、初めてのオケです。ただ、印象は、先生言われた通り、古くからの録音通りで、艶がない。
ジョルダンについては、私には、ベートーヴェンもブラームスも同じやり方に聞こえました。カンタービレがないイタリアオペラと言った感。オペラは得意そうですね。

世代交代

フィリップ・ヨルダンの本格的な日本での演奏会。良かったです。11月29日ハーモニーホールふくいのコンサートホールで聴きました。演奏曲目は

ベートーヴェン:序曲「コリオラン」
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲  Vn:樫本大進
ブラームス:交響曲 第1番

アンコールは、

ブラームス:ハンガリー舞曲 第5番
J.シュトラウスⅡ:トリッチ トラッチ ポルカ
J.シュトラウスⅡ:雷鳴と稲妻

でした。聴衆はとても喜びました。私もうれしかったです。

***
フィリップ・ヨルダンの指揮で聴いた曲はオペラばっかりでした。
2009年4月8日 チューリヒ歌劇場 神々の黄昏(演出:ロバート・ウィルソン)
2010年7月3日 チューリヒ歌劇場 マイスタジンガー(演出:ニコラウス・レーンホフ)
2015年7月11日 バイエルン州立歌劇場 アラベラ(演出:アンドレアス・ドレーゼン)
2015年7月12日 バイエルン州立歌劇場 トリスタンとイゾルデ(演出:ペーター・コンヴィチュニー) ヴァルトラウテ・マイヤーのイゾルデ役歌い納め 

フィリップ・ヨルダンは1974年生まれの指揮者なんですよね。キリル・ぺトレンコは1972年生まれ。METのヤニック・ネゼ=セガンは1975年生まれ。
2009年から2011年ころまでひと騒動状態になっていたファビオ・ルイジは1959年生まれ。

世代交代が進みましたね。ファビオ・ルイジは得るものがほとんどない状態です。と個人的には思っています。
インターネットでパリナショナルオペラの公演を聴いています。
フィリップ・ヨルダンのウィーン交響楽団のシェフに就いたことが飛躍のきっかけに思います。パリナショナルオペラでの幅広いレパートリー、ドイツ物は特に良いです。

2015年7月のバイエルンに出演することは、2014年3月に発表になる2014/2015シーズン演目が発表になった時点ではキリル・ぺトレンコがここまで有名になるとは思っていなかったので、フィリップ・ヨルダンがキリル・ぺトレンコの後任としてバイエルンに行くものだと思っていました。

今がフィリップ・ヨルダンの美味しい時期だと思います。パリナショナルオペラでやっている公演の成功が、次の大役につながるとは限らないからです。
フランツ・メストと同じことをしないことを願っています。

今、10月のパリナショナルオペラの”ドンカルロス”(フランス語5幕版:バレエ音楽省略のVersion)を聞きながら書き込んでいました。

兵庫で拝聴しました

兵庫県立芸術文化センターでのプログラムは、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲」(ソリストは樫本大進さん)とマーラーの交響曲第1番「巨人」でした。フィリップ・ヨルダンさんの指揮は、とても切れ味が良く、動きも良く、オケをよく響かせていたように感じます。ホント、大物になりそうですね。ソリストの樫本大進さんのメンデルスゾーンもお見事!安定感がありますね。このオケのしっとりした響きが好きになりました!

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