2021-06

2017・12・2(土)ジョナサン・ノット指揮東京交響楽団

      サントリーホール  6時

 音楽監督ジョナサン・ノットが指揮、リゲティの「ハンブルク協奏曲」、シューマンの「4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」、ベートーヴェンの「英雄交響曲」を指揮した。キーワードはホルン━━と言ってもいいくらいの個性的なプログラミングで、最近のノットと東京響の面目躍如たるものがある。

 最初のリゲティの「ハンブルク協奏曲」では、クリストフ・エス(バンベルク響首席)のソロ・ホルン(ナチュラル・ホルンとモダン・ホルンの持ち替え)および日本勢(大野雄太、勝俣泰、金子典樹、藤田麻理絵)の4本のナチュラル・ホルンとがオーケストラと協演。
 これは、何とも演奏の難しい曲だ。正直なところ、テイク2やテイク3をやって、いいテイクを繋ぎ合わせたいと思ってしまったことも、聴きながら何度か。誠実に吹いていたのは確かだろうが、たった一度の本番だけで成果を上げるのは、なかなか難しいだろう。

 変わってシューマン━━こちらでは前出のクリストフ・エスと、シュテファン・ショットシュテット(ハノーファー州立歌劇場管)、セバスティアン・ショル(ヴュルテンベルク・フィル・ソロ・ホルン)、ティモ・シュタイニンガー(ベルリン・コンツェルトハウス管)の4人からなる「ジャーマン・ホルンサウンド」という(なんか物凄い名称だ)グループが協演した。
 これはもう威力充分のホルン軍勢で、追い込み、追い上げの個所など、オーケストラを煽り立てるほどの音楽的パワーで咆哮する。久しぶりで面白い演奏を聴かせてもらった。

 「英雄交響曲」では、第3楽章のトリオ部分で、日本勢のホルン3人が朗々と存在感を誇示した。実は私共、「ジャーマン・ホルンサウンド」の演奏のあとだけに、頑張ってくれよ、と祈るような気持で聴いていたのだが、一安心。思わず同業者たちと顔を見合わせて「よかったね」と喜び合ったものであった。
 この曲では、東京響は弦12型編成で、ノットの繰り出す疾風のテンポに乗って気魄の熱演。特に第1楽章では、特に鋭角的にはならずに溶け合ったバランスでありながら明確な隈取りを保った音の構築が面白く、そのため縦横に交錯する内声部がかなりはっきりと浮き彫りにされ、ベートーヴェンがこの曲で如何に革命的なオーケストレーションを実現したか、それをまざまざと感じさせる見事な演奏となったのである。

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