2019-08

2027・11・23(木)サイモン・ラトル指揮ベルリン・フィル

      ミューザ川崎シンフォニーホール  5時

 今回の日本公演は僅か3日。今日はその初日で、プログラムはストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」、陳銀淑の「Chorós Choródon」、ラフマニノフの「交響曲第3番」。

 ラトルは今シーズン末にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督・首席指揮者を退くので、日本でこのコンビが聴ける機会はこれが最後となる。但し来年春のバーデン・バーデン(イースター・フェス)でもラトルはベルリン・フィルを振るし、その後夏あたりまではしばしば共演するわけだから、ヨーロッパへ行けばまだ山ほど聴けるのはもちろんである。

 思えば私も、このコンビの演奏をこの十数年間、随分聴いたものだった━━シェフ正式就任直前に聴いたベートーヴェンの「第9」での新鮮な演奏をはじめ、その後のベートーヴェン・ツィクルス、ザルツブルクでの「指環」「ペレアスとメリザンド」「ピーター・グライムズ」などのオペラ公演、その他挙げきれぬほどの演奏会の数々。
 ただ、その中でどれがいちばん感動的だったか、と問われたら、さて何を挙げられるか・・・・。どれがいちばん印象に残っているか、と問われれば、ザルツブルク音楽祭での「ピーター・グライムズ」における演奏、と答えてもいいだろうが━━。

 だが、今日の1曲目「ペトルーシュカ」で、冒頭から飛び行くが如き痛快なテンポで展開した切れ味のいい華麗な音楽は、まさにラトルとベルリン・フィルの最上のものと言って間違いない。

 休憩後の1曲目に演奏された陳銀淑の「Chorós Choródon」は、作曲者の解説によれば「Dance of the Strings(弦の踊り)」を意味するものだそうで、ベルリン・フィルの委嘱作品として今月ベルリンで初演されたばかりという。
 音響的な沸騰が一時収まった中間部で不思議に和声的な響きが現われ、そのあと再び極限まで昂揚を重ねて行くといった起伏感の豊かさは印象に残ったが、全体としてはごく「解り易い」類の作品だろう。

 ラフマニノフの「第3交響曲」は、何度聴いても変なシンフォニーだ。出来栄えという点でも、あの傑作の「第2交響曲」には及びもつかない。
 ラトルとベルリン・フィルは、ここでも彼らならではの強靭なエネルギーを全開し、殊更に激しい怒号などを交えて、このオケらしい威圧感を生み出したが、所詮はその範囲に留まる演奏だったと言えようか。終楽章のエンディングでは、音量的には壮大ではあっても、推進性という点では何か不思議に物足りないものが感じられたのだった。

 アンコールでは、プッチーニの「マノン・レスコー」からの「間奏曲」が演奏された。剛直かつ轟然たるプッチーニで、これはこれで微笑ましい。力感豊かに最強奏の頂点を築いたあと、それがさあっと潮の引くように収まって行き、豊麗な音を保ちながら静かに結んで行く、というあたりの流れの鮮やかさは、この巨大戦艦ベルリン・フィルの身上だ。

コメント

次のベルリンフィルの来日は、キリル・ぺトレンコとでしょうね。
サイモン・ラトルの来日は、ロンドン交響楽団ということになるのでしょうか。

最近のヨーロッパのオーケストラの多くは、韓国・中国・台湾などを廻るようになりつつあるのが定番のように思います。
今月は、シュターツカペレ・ドレスデンの中国4都市の演奏旅行でした。指揮はアラン・ギルバート。

ベルリンフィルの日本公演が3公演程度になって、中国・台湾公演にウエイトを置くことになっていくのでしょうか。
ロンドン交響楽団だって、ダニエル・ハーディング指揮で韓国2回行って日本には来なかった。

来日招聘に高いコストをかけていくのにも限界があります。隔年ごとにベルリンフィルが来日することを望みます。

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