2021-06

2017・11・8(水)ハンヌ・リントゥ指揮東京都響「クレルヴォ交響曲」

       東京文化会館大ホール  7時

 このところ日本で人気急上昇中のフィンランドの指揮者、ハンヌ・リントゥがシベリウスの「クレルヴォ交響曲」を振るとあっては、聞き逃すわけには行かない。しかも合唱にはフィンランド・ポリイテク男声合唱団(指揮:サーラ・アイッタクンプ)、メゾ・ソプラノにニーナ・ケイテル、バリトンにトゥオマス・プルシオ━━と、いずれもフィンランドの演奏家たちを客演に迎えている。コンサートマスターは山本友重。

 満席の東京文化会館とあって音が吸われ、1階席中央で聴く範囲では都響や合唱団の音色に潤いが欠け、演奏も乾いたものに聞こえたのは残念だったが、しかしリントゥの切れの良いリズムでたたみかける強靭な力感、些かの曖昧さも残さぬ明快な表情によって、特に後半にかけては、息もつかせぬほどの迫力で聴き手を巻き込んで行く演奏となった。彼の指揮で聴くと、カレワラの物語に登場するクレルヴォは、森と霧の中から生れ出た悲劇の主人公ではなく、毅然として己が道を貫いた英雄ともいうべきイメージになる。

 アンコールとして、「フィンランディア」が、合唱入りの版で演奏された。あの叙情的でありながら満々たる意志の力を込めた主題が、「フィンランディア讃歌」の合唱で歌われるのは、すこぶる感動的なものである。欲を言えば、最後の個所にも壮大な合唱を入れてくれれば、いっそう感銘深いものになっただろうけれど。

コメント

東京文化会館の席

東条さん
いつもブログ、楽しみにしています。
東京文化会館についてですか、いつも1階ですが、あそこは上の階(4階とか5階)だととてもいい音響と思いますが、どうなんでしょうか。

都響定期会員として5階L側第一列やや中央寄りで聴きますが、クリアな響きです
ピアノコンチェルトは演奏者の手元が良く見えます。上がっていくのに大変かつ高所恐怖症の方にお勧め出来ませんが、ホールの音響評価で最上階のサイドがいいとの意見を参考にしました。
音か明晰に届く分、交響曲などの適度の残響で豊麗な響きには物足りないかもしれませんが。

リントウの力強いタクトに雄渾かつ切れのある演奏、フィンランドの森の奥からの地霊の響きのような男性合唱と独唱と相俟って堪能できました。
オケこそ都響ですが、フィンランドの大地と民族の誇りを感じる一夜でした。

東京文化会館の響き/「クレルヴォ」

いつも5階正面の2列目(1番後ろの席)で聴いています。天井の間近のせいか、響きの豊かさを感じます。
「クレルヴォ」は始めて聴くので、自宅で台本を参照しながら予習しましたが、会場では期待していた字幕がなく、熱演であったことは認めますが、曲を楽しむところまではいきませんでした。
アンコールで「フィンランディア」をやると予告されていたので、その前に退席したかったのですが、できませんでした。有名曲だけに「クレルヴォ」の余韻は消え去ってしまい、この選曲は失敗だと思います。せめて「悲しいワルツ」だったら…。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2828-810892e3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」