2019-08

2017・11・3(金)ペルゴレージ:オペラ「オリンピーアデ」再演

      紀尾井ホール 3時

 2年前に好評を得た(2015年10月8日の項)、粟国淳演出の「オリンピーアデ」の再演を観る。
 オーケストラがこのホールのレジデント・オケ「紀尾井ホール室内管弦楽団」に替わったほかは、全て前回と同じキャスト。 河原忠之(指揮)、澤畑恵美(リーチダ)、向野由美子(メガークレ)、幸田浩子(アリステーア)、林美智子(アルジェーネ)、吉田浩之(クリステーネ)、望月哲也(アミンタ)、弥勒忠史(アルカンドロ)といった人たち。

 前回もそうだったが、今回も歌手陣が絶賛に値する。
 ズボン役の2人━━澤畑と向野は歌唱も舞台姿も演技も魅力満点で、申し分なく完璧である。
 女性役2人━━幸田と林も歌唱はいいが、ただ、あのオデコ丸出しの鳥の巣みたいな髪型は、中世のどこかの国のファッションのようで、何となく薄気味悪い。ホールのスタッフの説明によれば、「女性の焦燥を表わし、髪が逆立っているという演出の狙い」だというのだけれども・・・・。
 男性歌手3人も素晴らしく、弥勒は前回同様に卓越した完璧なカウンターテナーを聴かせ、望月も吉田も非常に迫力ある男声テナーを披露していた。

 粟国の演出については前回も書いたが、このややこしいストーリーをすこぶる解り易く視覚化していたと思う。たとえば台本の上では甚だ身勝手で横柄に見えるリチーダに、苦悩する青年としてとしての温かい表現を与えたのは成功であろう。これは更に、澤畑の微細な演技によって、同情すべき主人公として非常に印象深く描き出されていたのであった。
 一方、河原の指揮も安定、オペラにはあまり慣れていないであろう紀尾井ホール室内管弦楽団を巧みに制御していたという印象。

 今度の上演では、前回カットされていた「物語の伏線」の歌詞が、部分的ではあるけれども復元されていたため、ドラマの経緯が以前よりは解りやすくなっていたと思う。アリアもいくつか復活させられたと聞くが、これは前回の記憶がそこまでは定かでないので、何とも言い難い。ただ、前回の印象と比較して、舞台の流れが非常に良くなり、全てが明快・明解になっていたことはたしかだろう。「再演」ということの意義は充分である。
 ホールの規模にぴたりと合った作品の選定という意味をも含め、全てが理想的なバランスで構築されたオペラ制作と讃えてもいい。
 全3幕、休憩2回を含め、上演時間は3時間30分強。これは5日にも2回目の上演がある。

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