2020-04

2017・10・30(月)作曲家の個展 一柳慧×湯浅譲二

    サントリーホール  7時

 ホール開館以来もう30年以上続けられている「作曲家の個展」のシリーズ。
 これまで「委嘱作品集」と銘打った何回かを除き、基本的には毎年1人の作曲家の個展が開催されて来たが、2人が一緒に組まれたのは、昨年の「西村朗と野平一郎」に続いて2度目ではないかと思う。だが、今回の一柳慧と湯浅譲二の組み合わせは、なかなか面白い。少なくとも今日演奏された作品に現われている2人の個性とその変貌が、すこぶる対称の妙を成しているように感じられるからである。

 前半に演奏された、一柳慧の「ピアノ協奏曲第3番《分水嶺》」は1991年の、湯浅譲二の「コンチェルティーノ」は1994年の、いずれもオーケストラ・アンサンブル金沢の委嘱作品だ。
 後半には2人の最新の「サントリー芸術財団委嘱作品」が予定されていたものの、一柳慧の「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」は完成されて予定通り演奏されたが、湯浅譲二の方は体調不良の時期があったため、「オーケストラのための軌跡」という作品が未完成で、今回はその最初(?)の2分ほどの長さの部分のみ演奏され、そのあとに、代わりとして1999年の「国際作曲委嘱シリーズ」での初演曲「クロノプラスティクⅡ~エドガー・ヴァレーズ讃」が再演された、というわけである。

 この「クロノプラスティクⅡ」は、湯浅がこの日のプログラム冊子に、「(初演の時の)演奏に満足していなくて、再演を望んでいた」と書いていたが、今回の杉山洋一指揮東京都交響楽団の演奏は、氏のお気に召したのであろうか(因みに初演の時の演奏は、岩城宏之指揮の東京交響楽団だった)。
 それにしても、湯浅の最新作の断片が非常に激しく鋭角的な曲想になっているのには驚かざるを得ず、彼の作風がもし大きく変貌しつつあるのなら、その完成版を期待して待ちたいところだ。

 なお今日は、「分水嶺」のピアノ・ソロは木村かをり、「ピアノ・コンチェルティーノ」のソロは児玉桃、「二重協奏曲」のソロは成田達輝と堤剛が受け持っていた。とりわけ児玉桃の清澄な音色の演奏は、「コンチェルティーノ」の曲想に見事に合致し、曲の美しさをいっそう鮮やかに再現させていた。

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