2021-06

2017・10・23(月)ミハイル・プレトニョフ指揮東京フィル

      サントリーホール  7時

 特別客演指揮者プレトニョフが指揮する東京フィルハーモニー交響楽団のサントリー定期。

 プログラムがユニークだ。前半に、グリンカの「カマリーンスカヤ」、「幻想的ワルツ」、「皇帝に捧げし命」より「クラコヴィアク」、ボロディンの「中央アジアの草原にて」、リャードフの「魔法にかけられた湖」「バーバ・ヤガー」「キキーモラ」。
 後半はリムスキー=コルサコフの作品で、「雪娘」組曲、「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」組曲、「皇帝サルタンの物語」組曲。
 ━━ロシア音楽を集めた演奏会は数々あるが、こういう選曲で行なわれたものは、少なくともわが国では例がないのではないか。その意味でも、これは非常に意欲的な企画である。

 そしてまた、プレトニョフの音づくりの巧さにも舌を巻かされた。
 たとえば後半だが、リムスキー=コルサコフの管弦楽法の鮮やかさは常々承知しているけれども、巧みな指揮者の手にかかると、それがいっそう浮き彫りになる。特に「キーテジ」では、華やかな色彩と、その上にヴェールがかけられたような翳りとが共に描き出された。こういう「魔術的な」演奏は滅多に聴けるものではない。
 眼を閉じて聴いていたら、かなり前にマリインスキー劇場で観た上演(ゲルギエフ指揮)での、紗幕の向こう側にキーテジの街が幻想的に現われたり消えて行ったりしたあの舞台の夢のような美しさが、まざまざと脳裏に蘇って来たのだった!

 東京フィルが、そういう色彩感を、また実に見事に再現していた。これまで数限りなく聴いて来たこのオケの演奏の中でも、これは卓越したものと言っていいだろう(これだけステージの上でオペラの音楽を素晴らしく演奏できるオケが、何故ピットの中でも同じように出来ないのか、いまだに解けぬ謎である)。
 アンコールには、「皇帝サルタンの物語」からの演奏会用組曲には含まれていない有名な「熊蜂の飛行」が演奏された。これまた軽やかで急速な、素適な演奏だった。
     ☞別稿 モーストリー・クラシック新年号 公演Reviews

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