2021-06

2017・10・6(金)リッカルド・シャイー指揮ルツェルン祝祭管弦楽団

      サントリーホール  7時

 昨年から音楽監督に就任しているシャイーの指揮で、プログラムはベートーヴェンの「エグモント」序曲と「第8交響曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」。アンコールには同じく「火の鳥」から「魔王カスチェイ(カッシェイ)の凶悪な踊り」。

 「エグモント」は、正面切った堂々たる風格の演奏で展開された。この調子でずっと行くとなると、立派だけど面白くなくなるな、と感じたのは束の間。「8番」になった途端に、シャイーは思い切った趣向をやること、やること。

 第1楽章第1主題の3小節目をすっと軽やかにデクレッシェンドさせたり、提示部の反復の際に1番カッコの個所から第1主題冒頭のフォルテに戻したり。また第2楽章の主題で、木管群を見事に弾むように吹かせ、しかもその主題が復帰した個所以降の木管群をエコーのような美しさで弾ませる、といったようなワザを聴かせる。
 全体にメトロノーム指定に近い快速のテンポで演奏させていたが、第4楽章など、その快速ぶりたるや、少なくとも76か、80くらいにまで達していたのではないか。

 とにかく、オーケストラがすさまじく巧い。それもそのはず、ヴィオラ・セクションにはヴォルフラム・クリストやヴェロニカ・ハーゲン、チェロにはクレメンス・ハーゲン、フルートにはジャック・ズーン、オーボエにルーカス・マシアス・ナヴァロ、クラリネットにアレッサンドロ・カルボナーレなどという名手たちも加わっている、腕利きぞろいのフェスティバル・オーケストラなのだ。
 シャイーは、そういう名手たちの名技をひたすら愉しむかのように、オーケストラを煽って、煽って、煽りまくる。その巧さ、音色の豊麗さ、音量の豊かさは、まさに圧倒的だ。

 「春の祭典」が、これほど壮麗な音の洪水、大音量の威力、マッスの量感的な物凄さ、といった要素を前面に出して轟き渡った例は、そうは多くないだろう。ブーレーズのような分析的な「春の祭典」もそれはそれで面白いけれども、このシャイー&ルツェルンのような開放的な力感と量感を優先した「春の祭典」も、聴く者に快感を呼び起こさせる。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2801-bd8dc181
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

























Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

ブログ内検索

最近の記事

Category

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」