2021-06

2017・9・22(金)ライナー・ホーネック指揮紀尾井室内管弦楽団

       紀尾井ホール  7時

 「紀尾井シンフォニエッタ東京」改め「紀尾井室内管弦楽団」と、その新・首席指揮者ライナー・ホーネックとの相性は、幸いにして良いように感じられる。何より演奏に、満々たる活気と、そしてこのオーケストラにとかく不足がちであったメリハリのある表情とが生まれて来ているように思われる。

 この9月定期のモーツァルト・プログラムは、予想以上に聞き応えがあった。最初の「ファゴット協奏曲」こそ、ソリストの福士マリ子を立てるためか、やや控えめの演奏に終始したが、次の「交響曲第38番《プラハ》」に至るや、強靭な重心の上にきりりと引き締まった音が組み立てられ、鋭いけれども伸びやかさを失わぬアクセントが目の覚めるような活力を生み出していたのには、すっかりうれしくなった。

 ライナー・ホーネックは、ウィーン・フィルのコンサートマスターとしての実力は夙に知られるところだが、指揮者としては、未だ評価が確立した存在とは言い難いだろう。これまでこのオーケストラを指揮した演奏もいくつか聴いているが、正直なところ、そう際立った印象を得ていたわけでもなかった。
 しかし今日のように、モーツァルトのシンフォニーをこういう「パンチの効いた」演奏で聴かせてくれる人であるなら、これからはもっと注目してもいいかもしれない。この2曲でのコンサートマスターはアントン・バラホフスキー。

 休憩後に演奏された「ディヴェルティメント第10番K247《第1ロドロン・ナハトムジーク》」では、彼は指揮台に上らず、自らトップに座って弾きつつ、オーケストラをリードして行った。
 オーケストラとのプログラムに、指揮だけでなく、本業のヴァイオリニストとして━━というより、コンサートマスターとしての腕前を披露する曲目を入れるのは、これまでにも毎回行っているところである。これは、オーケストラのためには、むしろ好いことかもしれない。事実この曲での演奏は、全ての点で、サマになった、鮮やかなものであった。特に第1楽章での瑞々しい、いかにもディヴェルティメントといった喜ばしい曲想が連続する弦楽合奏(2本のホルンを含む)は、実に快活な、魅力的なものだった。

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