2017-10

2017・9・16(土)パーヴォ・ヤルヴィ指揮NHK交響楽団

    NHKホール  6時

 NHK交響楽団の秋のシーズンの幕開け定期、Aプロの初日。首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィがショスタコーヴィチの「交響曲第7番《レニングラード》」を振る。客演コンサートマスターはロレンツ・ナストゥリカ・ヘルシュコヴィチ(ミュンヘン・フィル・コンマス)。

 これは実に舌を巻くような見事な演奏で━━と言っただけでは何だか解らないが、これだけ力感に富む咆哮を繰り返しつつ、しかもオーケストラが完璧な均衡を失わなかった、という演奏も稀有ではないか。

 N響は今やパーヴォ・ヤルヴィの「音」に完全にと言っていいほど同化し、特に弦楽器群は、独特の清澄な音色を響かせる。それは第3楽章などで冷徹なほどの透明な美しさを発揮するのはもちろんだが、終楽章のクライマックスにおいてさえ、ステージ後方にずらり並んだ金管楽器の大部隊の咆哮と拮抗して、澄んだ音色を一瞬とも失うことなく最後まで響かせ続けたのだった。
 N響の並外れた巧さもさることながら、パーヴォ・ヤルヴィのオーケストラの構築術の見事さを改めて認識させられた次第だ。

 なりふり構わず怒号するショスタコーヴィチの管弦楽法も、例えば「4番」や「8番」の場合にはそれも一つの魔性的な凄さとなるが、この「レニングラード」の場合には、一歩誤れば作品の中に肉離れを起こさせかねない危険性を孕んでいるだろう。それを実に巧みに解決した一例が、このパーヴォの指揮ではなかったろうか。

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