2021-06

2017・9・15(金)飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団

       ザ・シンフォニーホール  7時

 兵庫県立芸術文化センターの最寄駅である阪急西宮北口駅から特急でたった2駅、15分そこそこで梅田駅に着く。大阪駅でJR環状線に乗り換え、これもたった1駅、福島駅に着く。ザ・シンフォニーホールに行くのは至極簡単だ。

 今日は首席指揮者・飯森範親が指揮、ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第3番」(ソリストはジョージ・ヴァチナーゼ)と、ギア・カンチェリの「ステュクス~ヴィオラと混声合唱と管弦楽のための」が演奏された。コンサートマスターは荒井英治。
 後者は「日本で演奏されるのはこれが3度目」(飯森)とのことだし、しかも彼が一昨年東京響と演奏した際には私は聴けなかったので、これを機にと、PACのマチネーの「虎狩交響曲」と併せて聴きに赴いた次第であった。

 「ステュクス」は、聴き応えのある演奏だった。飯森の丁寧な指揮と、ソロ・ヴィオラを担当した丸山奏(日本センチュリー響首席)の繊細ながら確実な演奏、バッハアカデミー合唱団の透明清澄な歌唱が相まって、素晴らしい出来栄えになった。

 「ステュクス」とは、「三途の川」に当たるもので、ヴィオラのソロはその「渡し守」の役目を果たすという(プログラム掲載、長谷規子さんの解説による)。歌詞はかなり感覚的な色合いのものだが、言わんとすることは明解だ。
 カンチェリ特有の澄んだ、しかも神秘性を備えた響きのうちに、極端なデュナミークの交替が連続し、天国への憧憬と不安とが交錯する音楽が美しい。極度にパウゼの多い曲だが、その休止の中でも緊張感を失わせなかった飯森の指揮が見事。よくぞこういうレパートリーを取り上げたもの。その意欲をも讃えたい。

 前半に置かれたピアノ協奏曲も、ジョージア(グルジア)出身の名手ジョージ(ゲオルギー)・ヴァチナーゼの豪壮で剛直な、しかも色彩的なソロが映え、ダイナミック極まる演奏となった。ラフマニノフのこの曲は、やはりこういう豪快な力感で弾かれた方が気持良い。飯森と日本センチュリー響もすこぶる力演で、全曲の最後も鮮やかに派手に決めた。今日の2曲、すこぶる立派な演奏だったと言っていい。

 こういういい演奏をしているなら、もっとお客さんが入ってもいいような気もするのだが、やはり定期「2日制」というのは規模が過ぎるのか? 終演後に楽員たちが大勢ホワイエに出て、聴きに来ていたお客さんと賑やかに交流していたのは、聴衆との結びつきを大切にするという姿勢の表れで、歓迎されることだろう。

コメント

日本センチュリー交響楽団の底力

お疲れ様です。最近拝聴していて感じるのは、日本センチュリー交響楽団の底力です。これは、地道なハイドンマラソンの成果だと感じます。飯森さんの指揮とオケがぶれない。ホント、東条先生のおっしゃるとおり、これだけの良い演奏、もっとお客様が入ってもいいですよね。金曜公演を「おかわり」したい場合、翌日公演は半額という「おか割」っていうのもあるそうな。

ジョージャデイ

9/16日聞きました。85パーセントの入りです。グルジア(ジョージャ〉デイ、ほんといい演奏会でした。宗教的な清澄さと激しい盛り上がりの対比が交互にくる。グルジア文字初めて見たのです。マイクが立っていたのでCD化期待したい。もう一度聞きたい。
この国のピアニズムはモスクワ音楽院の伝統が息づいているとポゴレりッチがインタビューで語っているが今回の演奏でうなずいた次第です。前回の定期ハンガリー音楽とともに至福でした、飯森氏に感謝。明日逆に西宮の「虎狩り」に行きますが台風がどうなるか.....。

2日とも聴きました

東条さん、いらしてたのですね。名演でしたので、先生のブログでたくさんの方に知っていただけるので本当に良かったです。センチュリー、本当にすごいオケになった、と興奮しっぱなし。
初日などは、ステュクスを初めて聴いて、もう途中から涙が溢れて、終演後もしばらく席を離れられませんでした。
まさに先の方が書かれておられる「おか割」をしまして、2日めも初日ほどではないですが、やはり終わりには涙がふわっ、と出てしまいました。2日めのラスト、飯森さんがタクトを下ろすまで誰も拍手せず。フライングを許さない、頼む、誰もしてくれるな、かのような張りつめた緊張感がありました。見事、完遂し、会場内がひとつになっていました。
ヴァチナーゼ氏が飯森さんと、非常によくアイコンタクトをとられていて、殊に2日めはそれを意識していたようで、いい意味で初日よりも力の抜けた、しかし聴かせて、締めるところは締める、という最高のコンチェルトでした。
もっと、たくさんの方にステュクスを、ジョージアのことを知っていただけるといいなと思います。
センチュリーと飯森さんの底力を痛感した2日間でした。ヴァチナーゼ氏、バッハアカデミー合唱団の皆さんにも、心からの拍手を。

今回の定演は聞けなかったのですが、いつも意欲的かつ整ったアンサンブルで、実力では、関西フィルや大阪フィルを上回るのではと思います。ただ、プロモーションが渋すぎて集客に苦労しているのではと。良くも悪くも関西フィルのような売りがないし押し出しが弱い。東京だと固定ファンがもっと付きそうですが、やはり関西圏だとそこまでのコアなファンが少ない気がします。

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