2017-07

2017・7・5(水)エチェバリア指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団

    ザ・シンフォニーホール  7時

 ベルリン・フィルの首席ホルン奏者シュテファン・ドールが、モーツァルトの「3番」とR・シュトラウスの「2番」の協奏曲を吹く。
 指揮は2年前の東京国際音楽コンクールで優勝したディエゴ・マルティン・エチェバリアで、第2部ではシューマンの「第2交響曲」をも指揮した。

 ドールの名手ぶりは、改めて言うまでもない。豊麗な、かつ強靱な音で朗々と吹きまくる彼のソロを聴いていると、胸のすくような快感に満たされる。彼の場合、それが決して放漫にならず、どんなスケルツァンドな曲想の個所でも、どこかに一種の生真面目さを湛えた演奏になるのだが、それがまた、いかにもドイツの名手だなという印象を生むのである。
 モーツァルトでは何か不思議に慎重な演奏という感を与えたが━━今日はNHK-FMの収録が入っていたので、それを意識していたのかもしれない━━R・シュトラウスでは曲想に相応しい豪快さを発揮した。そしてソロ・アンコールにはメシアンの「峡谷から星たちへ」の一節を超絶技巧的に吹き、聴衆の度肝を抜き、大いに沸かせたのだった。

 一方、エチェバリアの指揮は、私は先頃のコンクールの時の演奏を聴いていなかったので、今回が初めてである。曲によっては、なかなか巧いまとめ方をする人だと思われる。
 今日は、正直言って、協奏曲では「合わせもの」には未だしという感じだったし、シューマンの交響曲でも第1楽章の味も素っ気もない演奏には不安を覚えたのだが、楽章を追うに従い、みるみる中味が濃くなって行った。特に第3楽章ではシューマンの叙情美が充分に再現されており、第4楽章には勢いのいい追い込みが聴かれて、エンディングなどではすこぶる見事な昂揚がつくり出されていた。

 今日は2階席中央の3列目で聴いたが、このあたりはオーケストラから適度の距離感があって聴きやすい。もっとも、ホルンのソロは、よく響き過ぎて、どこで吹いているのか分からないくらい定位感が曖昧になってしまうことがある。

 それにしても今日は、関西フィルのアンサンブルが、なかなか良かった。音楽監督デュメイの薫陶もあってか、弦のまとまりがいいのに感心する。今日は近藤薫がコンサートマスターを務め、チェロのトップには荒庸子が座っていた。もちろん、木管のソリもいい。
 このところ関西フィルの演奏は、飯守泰次郎の指揮でばかり聴いていたが、彼はアンサンブルの細部よりも音楽の精神的な内容の方を重視する人だ。関西フィルもその気になればこんなに精密な音を創れるようになっていたとは知らなかった。不明の至りである。

 ついでながら、このシンフォニーホールの2階のバー・コーナーの売り子さんは、何故あんな金切声で絶叫しながら応対するのだろう? これは全国のホールの中でも最悪の部類である。

コメント

何となく、東条先生がいらっしゃってるような予感がしました。やっぱりね。お疲れ様でした!シュテファン・ドールさんの演奏には、人としてのあたたかさを感じます。それにしても、アンコールの「峡谷から星たちへ」は凄かった!関西フィルも、アンサンブルが良かったです。が、協奏曲よりもシューマンの交響曲の方が関西フィルらしかったように感じます。最近のブログを拝読していますと、関西フィルに対する評価が上がっているようですね。地道に精進すれば、結果は後からついてくるのですね。

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