2017-10

2017・5・25(木)ホリガーの音楽「スカルダネッリ・ツィクルス」

       東京オペラシティ コンサートホール  7時

 2時間半、切れ目なし。
 78歳の誕生日を迎えたばかりのハインツ・ホリガーが、この長大な自作を、自ら指揮し、指揮台上で「語り」を入れつつ、日本初演を行なった。

 これは1975年から91年にかけて作曲したもので、無伴奏混声合唱を中心とした「四季」(計12曲、必ずしも順番に演奏されるものではない)と、器楽を中心とした「スカルダネッリのための練習曲集」、およびフルート・ソロのための「ティル」という3つのグループからなる曲集を組み合わせた大曲である。「スカルダネッリ」とは、ドイツの詩人フリードリヒ・ヘルダーリンがこの詩集で使用した架空の署名とのこと。
 演奏は、ラトヴィア放送合唱団と、アンサンブル・ノマド、フルートのフェリックス・レングリ。

 長大な現代音楽だが、それは驚異的に神秘的で、精緻で、多彩で、美しく、しかも強靭な意志を感じさせて、スリリングだ。アンサンブル・ノマドの精妙緻密な演奏もさることながら、ラトヴィア放送合唱団の倍音唱法を含む声の技術を尽くした微細な音色の見事さが、聴き手に息を呑ませる。
 2時間半は、長すぎるどころか、期待感と、陶酔と、驚愕のうちに、瞬く間に過ぎ去ってしまった。時間を制圧した演奏の素晴らしさというべきだろう。

 なお、ラトヴィア放送合唱団は、2014年8月30日のルツェルン音楽祭における、この今日演奏されたものと同じ「改訂稿」初演の際に、すでに一度ホリガーと協演して歌っていたそうである。

コメント

ホリガーの音楽

美しく繊細かつきびしい音楽で、まことに東条さんの仰るとおり、2時間半という長さが感じられませんでした。合唱が本当にすばらしかった。プログラムの野平一郎さんの解説も大いに鑑賞の助けになりました。ただちょっと残念に思ったのがヘルダーリンの詩の翻訳で、偉いドイツ文学者の方の翻訳が掲載されていましたが、直訳調のそっけないもので、詩的な雰囲気が感じられませんでした。

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