2017-08

2017・5・7(日)METライブビューイング 「イドメネオ」

     東劇  6時35分

 モーツァルトの「イドメネオ」。3月25日の上演ライヴ映像。

 案内役のエリック・オーウェンズも語っていたが、これはMETで1982年秋にプレミエされたジャン=ピエール・ポネル演出・装置・衣装による舞台である。その時(11月6日収録)の上演ライヴは、当時すぐにレーザーディスクで発売され、私も飛びついて買ったものだった。
 それはジェイムズ・レヴァインの指揮で、題名役をルチアーノ・パヴァロッティ、その他フレデリカ・フォン・シュターデ、ヒルデガルト・ベーレンス、イレアナ・コトルバシュら、往年の名歌手たちがずらりと顔をそろえた壮観な歌手陣だった。

 一方、今回の上演では、歌手陣は、マシュー・ポレンザーニ(イドメネオ王)、アリス・クート(イダマンテ)、ネイディーン・シェラ(イリア)、エルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー(エレットラ)、その他となっている。
 昔はドン・オッターヴィオをおとなしく歌っていた程度のポレンザーニが今や風格とスケール感を増し、このイドメネオを堂々と歌い演じるようになったのは祝着である。
 アリス・クートはどうも何かメイクが変で、気になるが、デン・ヒーヴァーはかつてのベーレンスにも劣らぬエレットラぶりである。また、案内役オーウェンズも、最後に「海神ネプチューンの声」で歌っていたようである。

 「ようである」と書いたのは、所用のため、残念ながら第2幕までしか観られなかったからだ。だが、この舞台を35年前のレーザーディスク盤と比較してみると、少なくとも第2幕までは、例えばエレットラが行進曲に気がつくタイミングなども含め、驚くほど同じにつくられていることがわかる。
 大きく異なるのは、例えばレヴァインのテンポが、昔より遅くなったことか。もともとレヴァインのテンポは以前からおしなべて遅めだったが、この「イドメネオ」は、35年前には随分軽く、引き締まったテンポで演奏していたのだった。

 それにしてもこのオペラでは・・・・24歳のモーツァルトが書いた音楽の、何というドラマティックなことか。第2幕の最後、怒れる海神が猛威の嵐を振るう場面での音楽の不気味さ(弦の揺れる下行音)など、当時こんなにスリリングな手法を使うことができた彼の天才ぶりには、ただ驚くほかはない。

 タイム・スケジュール表を見ると、終映は11時とのことだった。さすがにこの調子だと、夜の部よりも、昼の部の上映に来るお客さんの方が多いと見える。
 昼の部は6時25分に終り、大勢のお客さんがみんな明るい顔で、賑やかにどっと出て来た。一方、場内掃除(電光石火なること新幹線の如し)を待っている夜の部の「少数の」お客さんは、どういうわけかみんなムスッとした顔をしている。私も多分そうだったのだろうが・・・・。

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