2017-09

2017・4・29(土)飯守泰次郎指揮関西フィル「ミサ・ソレムニス」

     ザ・シンフォニーホール  2時

 「テトラ大津」はチェックアウト・タイムが正午なので、ゆっくり休めて有難い。だが、大津から直接大阪まで40分ほどで行けるJRの「新快速」に乗ったら、さすが連休初日、身動きも出来ぬほどの大混雑で些か閉口した。
 とにかく12時半頃には福島駅に着く。大阪のオーケストラ公演では、シンフォニーホールでもフェスティバルホールでも、開演の1時間前には開場してくれるので、ホールの中でゆっくりできる。これも有難い。

 これは関西フィルハーモニー管弦楽団の4月定期。桂冠名誉指揮者・飯守泰次郎が指揮して、ベートーヴェンの大曲「ミサ・ソレムニス」を取り上げた。
 協演は、澤畑恵美、池田香織、畑儀文、片桐直樹、関西フィルハーモニー合唱団。コンサートマスターは岩谷祐之。

 演奏がはじまった瞬間から、なにか不思議な温かさがあふれ出て来るよう。いかにも飯守泰次郎らしいヒューマンな情感に満ちた音楽が、関西フィルから絶えることなく引き出されて来る。こういう演奏はいい。所謂「心より出でて心に入る」というタイプの音楽だろう。
 正直言って、関西フィルのアンサンブルを含めた細部の仕上げについては、残念ながら不満もないわけではないが、━━しかし、たとえそういう不完全さがあったとしても、このような温かい情感が演奏に備わっている場合には、単に機能的で上手いだけの演奏よりも、私はこちらの方を採る。

 それよりも問題は合唱団か。今日の合唱は総じて音量が小さく、しかも歌唱に力強さと量感がどうも不足していて、この作品がもつ宇宙的な巨大さ、強靭な意志と祈りとの葛藤、その祈りの中に湧き立つ激しい感情のうねり━━といったものを表現するには、なんか頼りなかった。
 飯守と関西フィルの演奏が今日はやや抑制されていたようにも感じられたのだが、もしオーケストラがもしベートーヴェンらしく轟いたとしたら、合唱はオケの彼方に霞んでしまったかもしれない。とにかく合唱団には、もう少し頑張ってほしいところである。
 結局、この数日の間に聴いた関西の3つの合唱団の演奏の中では、やはり大阪フィルハーモニー合唱団のそれが抜きん出ていたような気がする。

 その一方で、ソロ歌手陣は見事な出来だった。特に女声2人は驚異的な素晴らしさで、澤畑恵美の優しさとふくよかさにあふれたソプラノと、池田香織の張りのある緊張感豊かなメゾ・ソプラノとは、合唱団の数倍も強い存在感を示し、輝かしく映えていた。指揮者を別とすれば、今日はこの2人で決まり━━と言っていいくらいだ。「アニュス・デイ」での池田のソロなど、圧巻だった。

 4時20分終演。プログラムはこの1曲だけだったが、作品の重量感からすれば、これだけで充分である。

コメント

飯守氏のミサソレ

私はオルガン席で聴いていたため(合唱のすぐ後ろ)合唱の頼りなさはあまり感じなかった。ただ男性がすくないのがちょっと残念。市民合唱団でこの曲を歌ったことがありベートーベンの器楽的な扱いに苦労しました(オーデションの有無の差があるのでは)
この曲最後のアニュスデイまで聞かないと真価は解からない。この後半の響きは後期のカルテット特に16番の融通無碍な境地が今回の演奏から感じ取られ感動しました。ソリストも見事な出来で特筆もの。
昔、ボンベートーベンホール管、聖ヘドヴッヒ唱団、で大橋国一氏が終曲の冒頭を歌ったこと思い出した。第9以上の名作もっと聞かれてもいい。

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