2017-10

2017・4・9(日)シルヴァン・カンブルラン指揮読売日本交響楽団

       東京芸術劇場 コンサートホール  2時

 日曜マチネー・シリーズ、お客さんがよく入っている。プログラムは、ハイドンの「交響曲第103番《太鼓連打》」と、マーラーの「交響曲第1番《巨人》」。

 2日続けて「太鼓連打」を聴くことになったが、私はハイドンの晩年の「ロンドン・セット」の中で、実はこの曲が一番好きなので、今日も大いに愉しめた。
 こちらカンブルランは、ティンパニはスコアの指定通り1対。ただしその演奏は、少しく行進曲調の、リズムに変化をもたせたカデンツァ風のもので、長さはアーノンクール盤のそれと同じくらいか(ちなみに昨日の飯森範親のそれは、ミンコフスキに近いスタイルのカデンツァだった)。

 今日のカンブルランは、「太鼓」だけを音量的に強調することはしない。第1楽章の管弦楽をかなり厚い音で堂々と進める。これでこそ、楽曲のバランスが完璧になるだろう。
 第2楽章では、新任のコンサートマスター荻原尚子が美しいソロを聴かせてくれた。
 全曲にわたり、読響らしい音の壮大さ、重厚さが発揮されており、すこぶる起伏の大きな、しかも両端楽章に激しさを備えた演奏となった。こういうハイドンは面白い。

 「巨人」の豪壮な演奏も、さすがカンブルランと読響だけのことはある。音の力感の点では国内一、二を争う存在である読響がマーラーをやると、なかなか凄い。
 多分今日の演奏の中での圧巻は、第4楽章だろう。爆発点での威力も凄まじいが、私が最も感心したのは、その爆発個所の間にある二つの叙情的な個所である。この部分をカンブルランは精緻微細に、しかも非常に濃厚な色彩と表情をもって仕上げてくれたので、ここで緊張感が失われるということは全くなかったのである。

 昨日の演奏ではホルンが不調だったと、聴きに行った知人が盛んにぼやいていたが、今日は━━ちょっと頼りなかった個所もないでもなかったが、一応これなら、というところか。代わって、トランペット・セクションが痛快に咆哮した。しかも音色が、実に輝かしい。わが国のオケのトランペットがすべてこういう力と音色を発揮してくれたら、さらに色彩感が豊かになるだろうに。

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