2017-05

2017・3・29(水)東京・春・音楽祭 
「語りと音楽━━永井荷風」

      東京文化会館小ホール  2時

 仙台より戻って上野で下車、多少時間を調整しつつ、駅前の東京文化会館に入る━━便利な場所だ。

 この公演は「語りと音楽━━永井荷風~明治39年、荷風、ニューヨークにてワグネルを聴く」と題されており、松平定知が永井荷風の「西遊日誌抄」と「雲(ふらんす物語)」を朗読、盛田麻央(S)高橋淳(T)友清崇(Br)がそれぞれ朴令鈴(pf)との協演で「ヴァルキューレ」からの「冬の嵐は過ぎ去りて」、「トスカ」からの「星は光りぬ」、「タンホイザー」からの「夕星の歌」、「カルメン」からの「ハバネラ」、「椿姫」からの「さようなら、過ぎ去った日よ」を歌って行く、という内容である。

 松平定知の朗読は、何年か前にこの音楽祭で「イノック・アーデン」を聴かせてもらったことがあるが、今回は内容からして、いっそう心に沁みるものとなった。上手いものである。

 それにしても遠く120年もの昔、一人の日本人がニューヨークのMETで毎夜のようにオペラを観、このような体験をしていたというのは興味深い。
 とはいえ、私の祖父も明治6~7年と16~19年━━つまり1870年代と1880年代ということになる━━にオーストリア万国博事務官あるいは公使館書記官としてウィーンに勤務し、ウィンナ・ワルツで人々が踊るのを見たという話を伝え聞いたことがあるから、当時の日本人が欧米でオペラを観たという例も、別に珍しくはないのかもしれない。

 今回歌われたアリアなどは、特に永井荷風の本の内容と厳密に結びつくものではないが、歌手たちがしっかりとした歌を聴かせてくれたのがよく、朗読とうまく溶け合い、ラジオ的な面白さを感じさせてくれた。

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