2017-05

2017・3・23(木)アンドラーシュ・シフ・ピアノ・リサイタル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 新国立劇場と同じ建物の中にあるのを幸い、ダブルヘッダーを組む。
 しかし、こちらはこちらで、したたかなコンサートで━━プログラム4曲全2時間が休憩なしに、続けて演奏されるという趣向である。
 その4曲とは、モーツァルトの「ソナタ ニ長調K576」、シューベルトの「ソナタ第21番変ロ長調D960」、ハイドンの「ソナタ変ホ長調Hob.ⅩⅥ:52」、ベートーヴェンの「ソナタ第32番ハ短調」。

 これは、相当な重量感だ。長大なシューベルトの「変ロ長調」のあとには一息入れたい気持にもなるが、シフが平気で、それも並々ならぬ深みと風格と高貴さと温かさを以って見事に演奏して行くので、われわれも完全に引き込まれ、結局2時間を身じろぎもせず、全身を耳にして聴き入る、ということになる。

 それにしても、この選曲と配列は見事なものだ。4曲それぞれの性格がこのように並ぶと、これは明らかに4楽章の交響的形式になる。しかも、モーツァルトの陰影の濃い、あまり明るくない曲想は、そのままシューベルトの沈潜した第1楽章と結びつく。ハイドンのソナタは、まるで若い時期のベートーヴェンのソナタと同じように力強く、気宇が大きい。それをベートーヴェン自身が継承し、最後の謎めいたソナタで結ぶ━━といったような流れを感じさせるのだ。
 これらの作品を、それぞれの作品の個性を際立たせつつ、しかもひとつの継続した流れの中に構築して弾くアンドラーシュ・シフの完璧な演奏は、もはや神業としか言いようがあるまい。

 2時間ぶっ続けの、切れ目のない演奏のあとに、更にアンコールが続く。バッハの「ゴルトベルク変奏曲」の「アリア」までを聴いて、本当はもっと浸っていたかったのだが、所用のためやむを得ず失礼せざるを得なかった。そのあともバッハのパルティータが聞こえたが━━あとで聞いたら計7曲もアンコールをやった由。終演は何時になったのか?

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