2017-05

2017・2・26(日)ファウスト、ケラス&メルニコフ

    神奈川県立音楽堂  2時

 イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)がトリオを組んでの演奏会。現代の名手たちの三重奏とあって、「音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ17」には満員に近い聴衆が詰めかけた。
 プログラムは、シューマンの「ピアノ三重奏曲第3番」、エリオット・カーターの「エピグラム」、シューベルトの「ピアノ三重奏曲第1番」と、これまた魅力的なものだった。

 最大のスリリングな体験は、やはりカーターの「エピグラム」だったであろう。3年前にピエール=ロラン・エマールらによって日本に紹介された時の演奏は聴いていなかったので、今日は興味津々であった。
 驚くべき作品である。鋭い音たちが断続しつつ、強い緊迫感をもって織り成して行く時間は、一瞬の安息をも与えてくれない。3人の演奏も凄いが、そもそもこの作品が103歳の高齢の作曲家によって書かれたということ自体に、信じられぬような、空恐ろしいような気がする(カーターは2012年に満103歳で亡くなっている)。

 一方、シューベルトのトリオは、私が好きな曲だし、これを目当てに聴きに行ったようなものだから、大いに堪能できた。ロマン派的な流麗な演奏とはほど遠い、一つ一つのフレーズを明晰にクローズアップするようなスタイルで演奏されるので、全体にごつごつした厳しい造型感が浮き彫りにされる。それだけに、シューベルト特有の絶え間ない転調がはっきりと印象づけられるが、これがまたこたえられない素晴らしさなのだ。

 天気が良く、春の近づきを感じさせる日だったからよかったものの、桜木町駅から音楽堂に向かう途中のあの「紅葉坂」だけは、やはり難所だ。たいした勾配ではないにもかかわらず、どうしてあそこは、いつもあんなにきつい坂に感じられるのだろう? 帰りはそこを矢のように(?)下って、京浜東北線、東急東横線、地下鉄半蔵門線、地下鉄千代田線と乗り継ぎ、代々木公園駅近くのHakuju Hallへ向かう。

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