2017-03

2017・2・24(金)川瀬賢太郎指揮名古屋フィルハーモニー交響楽団

      愛知県芸術劇場コンサートホール  6時45分

 第443回定期公演で、ショスタコーヴィチの交響詩「十月革命」、ハチャトゥリヤンの「フルート協奏曲」(ソロは上野星矢)、プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」(合唱はグリーン・エコー、アルト・ソロは福原寿美枝)。コンサートマスターは田野倉雅秋。

 すこぶる意欲的なプログラムだ。重量感からいっても、先頃の井上&大阪フィルのショスタコーヴィチ2曲に勝るとも劣らないだろう。
 川瀬賢太郎のつくる音楽がスケールも大きく、風格もある。若い指揮者の成長ぶりを目のあたりにするのは、うれしいことだ。

 「十月革命」は、冒頭でのオーケストラの確信に満ちた音の拡がりからして立派である。名古屋フィルと、その「指揮者」のポストに在る川瀬との呼吸も、充分に合っているように感じられた。
 「アレクサンドル・ネフスキー」も、前半の、特に叙情的な部分では、重厚でありながら色彩感も湛えた情感豊かな演奏に心を打たれる。第5曲「氷上の戦い」の冒頭など、不気味な緊迫感に満ちて見事だったし、また後半の弦の叙情的な部分は、この上なく美しかった。

 ただし、ステージ下手側手前に配置された打楽器群は、異様に音が大きすぎた。「十月革命」の終結といい、「ネフスキー」のクライマックス個所といい、打楽器群が爆発すると、もう他の楽器が何も聞こえなくなり、音楽全体が混濁して、すべてが騒々しい混沌の状態になってしまうのはいけない。シンバルなど、ただ強引にぶっ叩くといった雰囲気で、バランスへの配慮も何もないように感じられる。
 特に「氷上の戦い」では、小太鼓が走り過ぎるのか、それとも低弦や合唱が遅れるのか、とにかくステージの下手側と上手側の楽器のリズムが全く合っていなかったのはどういうことか? 

 声楽部分では、第6曲「死せる野」で歌った福原の深みのある、暗い音色のアルトは、まさにこの曲にぴったりだろう。彼女はこういう厳しい曲想の音楽に関しては、最高のはまり役だ。
 一方、コーラスは何語で歌っているのか判然とせず、ほとんどロシア語のようには聞こえなかったが、これはまあ仕方がないだろう。

 この2曲の間に演奏された「協奏曲」は、私はやはり原曲の「ヴァイオリン協奏曲」の方がハチャトゥリヤンらしく野性美も豊富だし、音量的にもバランスが取れているので好きなのだが、しかし今日のフルート協奏曲編曲版における上野星矢のヴィヴィッドな演奏は、愉しめた。
 8時50分頃終演。新幹線で引き返す。

コメント

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://concertdiary.blog118.fc2.com/tb.php/2647-70c9694c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

«  | HOME |  »

Since
September 13, 2007

これまでの来訪者数

最近の記事

カテゴリー

全記事表示

全ての記事を表示する

RSSフィード

ブログ内検索

プロフィール

リンク

News   

雑誌 モーストリー・クラシック に連載中
「東条碩夫の音楽巡礼記」