2017-11

2017・2・23(木)ミハイル・プレトニョフ指揮東京フィル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 特別客演指揮者のミハイル・プレトニョフが聴かせてくれたのは、ストラヴィンスキーの「ロシア風スケルツォ」と「火の鳥」組曲(1945年版)と、その2曲の間にプロコフィエフの「交響的協奏曲(チェロ協奏曲第2番)」。
 チェロのソリストがアンドレイ・イオニーツァ、コンサートマスターは近藤薫。

 「ロシア風スケルツォ」が、異様に遅いテンポで演奏されたのにまず驚く。
 多くの指揮者が採るような軍楽調の元気のいいテンポだって、あまりスケルツォ的な雰囲気にはならないと思うけれども、こんな重々しく揺れ動くような演奏では、ますますスケルツォのイメージから遠くなる。
 「ロシア風」という題名ゆえに、もしやロシアではこういうスタイルが基準になっているのかと気になり、あとで二、三のCDを調べてみたが、どうもそうでもなさそうだ。やはりプレトニョフ独自の解釈なのだろう。

 「火の鳥」も遅めのテンポでじっくりと進め、特に大詰の個所では悠然と間を取りながら締め括った。
 それは些か劇的効果を薄めていたのは事実だが、近年のプレトニョフの指揮には、昔の颯爽とした音楽運びを売り物にしていた時代にはなかったような不思議な「色合い」と「味」が備わるようになっており、それが全てを救っていたことは事実だろう。

 ただし、今の彼は、かつてのような、きりりと引き締まったアンサンブルを東京フィルに求める気はないようで、それが今日の演奏では、必ずしもいい効果を生んでいなかったようである。曲の終り近く、オケが揃って分厚い和音を響かせるくだりで、初めてアンサンブルの威力が発揮されたという感であった。

 「チェロ協奏曲」では、何しろソリストのアンドレイ・イオニーツァ(ブカレスト生れ、今年23歳)が痛快無類の演奏である。2015年のチャイコフスキー国際コンクール優勝者の本領ここにあり、という快演だ。曲がまた豪快で物凄いから、演奏もまたラフ・ファイトのごとく、オーケストラにつかみかからんばかりの勢いになる。その一方、叙情的な個所での瑞々しさも光っていた。実に面白い。
           ☞別稿 音楽の友4月号  Concert Reviews

コメント

「ロシア風スケルツオ」・・・。30年くらい前、N響(D・アサートン指揮)で聴いて以来生では聴いてないなぁ・・・。

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