2019-05

8・12(火)幕間雑談 パリ国立オペラ オケ・ピットの話その後

 パリ国立オペラ来日の際の、オーチャードホールのオーケストラ・ピットをめぐるトラブルの話は当日の日記にも書いたが、そのあとでこのオケのヴァイオリン奏者・大島莉紗さんがみずから書かれたブログを読ませていただく機会があった。たいへん面白く、なるほどと思ったので、ちょっと紹介したい。

 要するに、あのホールはピットが非常に狭く、「トリスタン」を演奏するのに必要な編成を採ると身動きもできぬ状態になり、奏者と譜面台との必要な距離も取れず、ヴァイオリンの弓が隣の奏者の「頭を突き刺し」たりするありさまだったという。
 またピット全体の位置が低く設定されていたので、指揮者に近い奏者たちにはそのタクトが視角に入りにくく非常に見難かったこと、舞台上の歌手とのコンタクトが満足に取れないケースもあったこと、なども指摘されていた。そして、パリのピットと違い、椅子がスチール製の簡単なものなので、5時間も座って演奏するのは非常に苦痛だったそうである。

 そんな状況でありながら、それでも編成を少なくするなどといった妥協をせずに頑張ってくれたオーケストラには、脱帽しなくてはなるまい。あのホールで上演されるオペラにしては、いつもより編成が大きいのではないか、とは当日現場でも感じられたことだが、本当に演奏は雄弁で立派で、音量はたっぷりと厚みがあった。

 だがこういう話を聞くにつけ、日本での「オペラ上演におけるオーケストラ問題」に関し、いかに考えるべきことが多いかを痛感する。
 わが国では未だに、オペラではオーケストラは「歌の伴奏」たる存在に過ぎない、という概念がどこかに巣食っているのではないか? 

 しかし、パリの人たちは、日本滞在を非常に楽しんでくれたそうである。休日を利用して関西から新幹線で名古屋へスモウを見に来て、そのあと京都へ戻って別のグループと合流して・・・・という芸当もやってのけたとか。われわれ日本人はつい「距離」ということを意識してしまい、そういう遊び方はあまりやらないものだが、外国人の感覚には新幹線が解決してくれる「時間」の方が距離よりも大きいと映るのかもしれない。

 他にもいろいろな愉快な話があるようである。大島さんのブログは実に面白いので、一度訪問してみては如何。アドレスは以下の通り。

ヴァイオリニスト大島莉紗~パリ・オペラ座からの便り~

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