2017-05

2017・1・31(火)カンブルラン指揮読響 メシアン「彼方の閃光」

      サントリーホール  7時

 読響第566回定期。
 オリヴィエ・メシアンの「彼方の閃光」(演奏時間約75分)1曲だけのプログラムで「完売」とは、驚くべき世の中になったものである。

 いくら東京でも、メシアンがそれほど圧倒的な人気をかち得るような時代になったとも思えないし。
 結局、滅多に聴けない珍しい曲への興味と、メシアンへの関心と、それにカンブルラン=読響の評価の高さと、━━それらいろいろな要素が集まって、このような「完売」になったのだろうが、祝着の極みだ。とはいえ、「完売」といっても、空席はあちこちに見られる。多分、定期会員が欠席しているのかもしれない。

 フルートとアルト・フルート、ピッコロとを合わせて計10本、エスクラやバスクラなど合わせてクラリネット総計10本、無数の打楽器群など・・・・といった超大編成の作品を、よくまあ取り上げたものだ。制作費も相当なものだったはずである。秋の「アッシジの聖フランチェスコ」全曲上演とこれと、メシアンの大曲に対するカンブルランと読響の総力を挙げた取り組みだ。
 その前哨戦たる今日の演奏会は、大成功を収めたと言ってよかろう。たった1回の演奏会ではもったいないような、密度の濃い快演であった。

 若い時期の「トゥーランガリラ交響曲」などでの沸き立つような作風と違い、最晩年の作であるこの「彼方の閃光」は、全編にわたって宗教的な色合いが濃く、遅いテンポによる祈りのコラールが連続し、その中に彼が愛した鳥の声が散りばめられて行くといった曲想をもつ。旋律性も強く、しかも静謐な音楽の中に、時に激烈さが交錯する、という特徴もあるだろう。

 今夜のカンブルランと読響(コンサートマスターは長原幸太)の演奏における豊かな色彩感は実に見事なもので、メシアンが最晩年に到達した目映いばかりの彼岸への憧れとは、まさにこういうものだったのか、という思いになる。
 おそらくこのメシアン・シリーズは、カンブルランが読響の常任指揮者として築きつつある最大の功績の一つたりうるかもしれない。

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