2017-08

2017・1・24(火)ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン
「ホフマン物語」

    東宝東和試写室 3時30分

 英国版ライブ・ビューイングともいうべき「ロイヤル・オペラハウス・シネマシーズン」。  
 先日は六本木ヒルズの「TOHOシネマズ」で「ノルマ」を観た(昨年11月30日の項)が、今回は東宝東和の試写会で、オッフェンバックの「ホフマン物語」を観る。

 これは昨年11月15日の上演ライヴで、故ジョン・シュレシンジャーによる1980年演出版を、ダニエル・ドゥーナーが再演演出したもの。極めてオーソドックスなスタイルの舞台だが、人物の動きはかなり微細なので、ドラマとしての不備は感じられない。
 指揮はエヴェリーノ・ピドで、誇張のない安定した音楽づくりだ。

 主役歌手陣も粒が揃っている。
 ホフマン役のヴィットリオ・グリゴーロは、いわゆる「悩める詩人」というガラでないのは一昨年のMET出演(バートレット・シェア演出)の時と同様だが、真摯な青年という雰囲気を感じさせる点では、今回のほうが良かったのではないか。
 ニクラウス/ミューズ役のケート・リンジーはもう当たり役というほかなく、ホフマンを心底から気遣う温かい親友としての性格は、これもMETのシェア演出の時よりずっとストレートに表わされていた。

 「4人の悪役」は、これも前出MET同様、トーマス・ハンプソンで、容姿の雰囲気からいって、これもいい味を出していたと言えよう。
 「ホフマンが愛した3人の女性」の中では、オランピアを歌ったソフィア・フォミーナが出色の出来で、歌唱もいいが、自動機械人形としての演技が秀逸だ。あとのクリスティーヌ・ライス(ジュリエッタ)と、ソニヤ・ヨンチェーヴァ(アントニーナ)は、もちろん実力充分のいい歌手だが、今回の演出では、なぜかそれほど目立った存在になっていない。
 なお、クレスペル役として、エリック・ハルフヴァーソンが出ていた。

 上映時間は、2回の短い休憩を入れ、4時間5分ほど。旧いプロダクションなので、楽譜にも旧慣用版に近いものが使われており、エピローグ(酒場の場面)は短い。
 ロイヤル・オペラでの休憩時間はMETと同じ30分ずつなので、この時間を利用してホストの女性(名は聞き逃した)がインタビューしたり、練習風景やドキュメントを織り込んだり、次の幕の予告を紹介したりと、さまざまな趣向を凝らしている。それはそれで面白いのだが、作り方は少々凝り過ぎだ。次の幕が始まったのかと思ったら実は予告だったり、ドキュメントだったりと、些か紛らわしいところが無いでもない。

 だがこのシリーズは、オペラだけでなくバレエ(来月以降には「くるみ割り人形」「ウルフ・ワークス」「眠りの森の美女」など)も含んでおり、その意味で「METライブ」と異なる個性を発揮することができるだろう。オペラでも、このあと「トロヴァトーレ」やカウフマン主演の「オテロ」なども予定されているようだ。
 昨年11月の時にも書いたことだが、上映予定が早めに発表され、また上演の詳しい日本語資料(配役、解説など)が配布されるようなシステムが早く実現されることを希望したいもの。

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