2017-05

2017・1・22(日)METライブビューイング 「遥かなる愛」

    東劇  6時30分

 現代作曲家カイヤ・サーリアホのオペラ「遥かなる愛」。
 メトロポリタン・オペラでの、昨年12月10日上演のライヴ映像。

 ロベール・ルパージュによる新演出、マイケル・カリーの舞台美術、スザンナ・マルッキの指揮。
 トリポリの女性伯爵クレマンスをスザンナ・フィリップス、彼女に憧れる吟遊詩人ジョフレ・リュデルをエリック・オーウェンズ、2人を仲介する巡礼の旅人をタマラ・マムフォードという配役。

 2000年の8月15日、ザルツブルクのフェルゼンライトシューレで観たこのオペラの世界初演は、ピーター・セラーズの演出とゲオルギー・ツィーピンの美術によるもので、あの横長の舞台一杯になみなみと水が湛えられ、その「海」を吟遊詩人と巡礼とが船で渡って行くという光景だった。
 が、今回のルパージュ/カリーの舞台は、さすがハイテク時代の演出とあって、一面の「光の海」である。

 それは舞台奥からオーケストラ・ピットの上までの空間に、横に張られた無数のライン(専門用語で何というのか知らないが、要するにクリスマス・ツリーのような電線?綱?紐?)が、精妙に変化する照明によってさまざまに光り輝くという仕掛けなのだが、その多彩な光の海の何とまばゆいこと、美しいこと。
 サーリアホのあの夢幻的な音楽とともに舞台全体がきらきらと輝くさまは、見事としか言いようがない。映像で観てもこれだから、METの現場でナマで観たらいかに綺麗だったか、と思う。

 合唱団はその「海」の中から、遠く近く、首か半身を出没させながら歌を聴かせる。これも幻想的だ。
 歌手陣も悪くはないが、吟遊詩人役のオーウェンズだけは、見かけからして、この役のイメージとは、ちょっと雰囲気が違う。しかし、何といってもスザンナ・マルッキの指揮が素晴らしい。METのオーケストラが実に美しくカラフルにサーリアホの音楽を響かせていた。

 休憩1回を挟んで、終映は9時20分頃。いい音楽だが、少し長く感じてしまうのは、幕のエンディングの場面が所謂「延々と続き、なかなか終らない」スタイルで書かれているからだろう。だがこれも、ナマで観れば、さらなる陶酔の極みだったかもしれない。

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