2017-06

2017・1・12(木)オーケストラ・アンサンブル金沢 東京公演

     紀尾井ホール  7時

 「ニューイヤーコンサート2017in東京」と題された演奏会で、金沢(8日)、富山(9日)、大阪(11日)と回って今夜が最終日。相変わらずフットワークの軽い足長オーケストラだ。
 今回の指揮は音楽監督の井上道義ではなく、バロック・ヴァイオリンの大家エンリコ・オノフリ。足の長い痩躯を躍動させ、ヴァイオリンに付けた長い房(?)を首に巻きつけたおなじみのスタイルでエネルギッシュに弾き振りする。

 前半にヴィヴァルディの「祝されたセーナ」の「シンフォニア」と「ヴァイオリン協奏曲 作品3の3」、ヘンデルの「時と真理の勝利」からの「神により選ばれた天の使者」および「王宮の花火の音楽」。後半はヴァイオリンを持たず指揮専門で、モーツァルトの「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」および「ハフナー交響曲」というプログラムだった。
 ソプラノ・ソロは森麻季、チェンバロが桒形亜樹子、コンサートマスターはアビゲイル・ヤング。

 まことに「音楽の新年」らしい爽やかで、品が良くて、快いプログラムだ。特に前半のような曲目を、オーケストラ演奏会で聴ける機会は滅多にない。
 バロック音楽の清澄爽快な響きをそのまま、室内合奏団のようなスタイルでなく、いわゆる「管弦楽団」的なシンフォニックかつスケールの大きな演奏スタイルで聴かせることができるオケは、この「オーケストラ・アンサンブル金沢」を以って国内第一と言うことができるだろう。

 聴き慣れた「調和の幻想」が颯爽と、しかも厚みのある音で始まった時には、何と胸のすくような、気持のいい演奏かと、惚れ惚れしたくらいであった。そして「王宮の花火の音楽」では、金管とティンパニがおそろしく豪快に鳴り渡り、まさにこの作品に相応しい祝典的な雰囲気を醸し出す。エンリコ・オノフリのダイナミズムというか、良い意味でのハッタリというか、こういう解放的で突き抜けた「王宮の花火」は、聴いていて実に痛快なものがある。

 また後半では、チェンバロを加えた「ハフナー交響曲」の演奏もすこぶる表情が大きく、叩きつけるティンパニの鋭さも印象的だが、大仰なリタルダンドの多用(第3楽章)など、自らが愉しみまくっているようなオノフリの指揮が微笑ましい。それは些か荒っぽいタッチではあったけれども、こじんまりしたクソ真面目な演奏よりも、勢い全開のこのようなステージのほうが、なんぼ面白いかと思う。

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