2017-05

2017・1・10(火)日下紗矢子、C・ハーゲン&河村尚子

      トッパンホール  7時

 「トッパンホール ニューイヤーコンサート 2017」と銘打たれた演奏会で、プログラムはベートーヴェンの「チェロ・ソナタ第2番」、コダーイの「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」、シューベルトの「ピアノ三重奏曲第2番」。
 いずれ劣らぬ実力者揃い。3人の個性がはっきりと感じられて、実に聴き応えのある演奏会となった。

 ベートーヴェンのソナタでは、河村尚子のピアノが見事な活気を見せてクレメンス・ハーゲンのチェロとわたり合い、コダーイの二重奏曲では日下紗矢子のヴァイオリンがハーゲンと丁々発止の応酬を繰り広げる。
 いずれにおいても、ベテランのハーゲンがむしろ押され気味といった感。日本の2人の女性のパワーを大いに楽しませてもらった。以上が第1部。

 第2部の三重奏曲では多分ハーゲンの逆襲が聴かれるのでは、と予想していたら、案の定。落ちついた風格を全身に漂わせ、アンサンブルをしっかりと支えたのは、さすが千軍万馬の弦楽四重奏曲のメンバーの貫録だ。

 そして日下紗矢子がこれまた見事にぴたりとアンサンブルを合わせたのも、さすがベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と読響のコンサートマスターだけのことはある。コダーイの時と同様、もうすこし自己主張をみせてもいいのではないかと思ったほどだが、このあたりが、ソロとアンサンブルでスタイルを使い分けるという彼女の方針なのだろう。
 この2人に対し、河村尚子は、やはり「ソリスト」だ。━━生き生きしたピアノではあるものの、第1楽章と第2楽章では、「三重奏曲」のアンサンブルとはどこか違うようなものを感じさせていた。

 ところが第3楽章の中間あたりから、ものの見事に3人のアンサンブルがぴたりと決まって来たのである。第4楽章後半など、これぞトリオの醍醐味、という演奏だったであろう。
 とはいえこれは、途中から呼吸が合って来たということではなく、むしろ作品の構造が大きく作用しているのだろうと思われる。シューベルトは、最初の二つの楽章ではピアノを比較的自由に歌わせていたが、第3楽章以降では、3つの楽器がしっとりと合うような手法を多用しているとも言えるのだから。

 いずれにしても、今夜は良い「ニューイヤーコンサート」であった。9時10分終演。

コメント

関西でのクレメンス・ハーゲン

関西では、このトリオコンサートがなかったので、日本センチュリー交響楽団とクレメンス・ハーゲンの「ドヴォルザーク・チェロ協奏曲」を拝聴しました。クレメンス・ハーゲンさんの落ち着いた風格を私も感じました。日本センチュリーとのアンサンブルも心地良かったです。日本センチュリーさんもハイドンマラソンの成果でしょうか。力をつけてこられたように感じます。東条先生、今年も色々と教えてくださいね!

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