2017-09

2017・1・7(土)飯森範親指揮日本フィルハーモニー交響楽団

      横浜みなとみらいホール  6時

 サントリーホールでの演奏会が4時に終ったので、クルマで横浜へ向かう。ガラガラの首都高だから、のんびり定速で走っても、Door to doorで1時間もかからない。
 こちらは日本フィルの横浜定期演奏会のシーズン最終日で、ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」(ソロは神尾真由子)と、ドヴォルジャークの「新世界交響曲」が演奏された。コンサートマスターは木野雅之。

 神尾真由子のヴァイオリンは、音色といい、表情といい、いつものように濃厚そのものだ。ただしそこには、妖艶とか艶麗とか甘美さとかいったものとは正反対の、もっと攻撃的で激しい、凄愴な陰翳を感じさせるものがある。そういうブラームスを聴くと、初めは少々まごつかざるを得ないが、しかしこれが全曲の終りに近づくまでには、一種の魔性の糸に絡め獲られたような気持になって来るのだから不思議である。
 が、我に返って考えれば、彼女のこういった演奏は、アンコールで弾いたパガニーニの「カプリース」での方にいっそうの良さが発揮されていたと見るのが妥当かもしれない。

 「新世界交響曲」では、飯森範親が、これもかなり念の入った、思い入れの強い指揮を聴かせてくれた。
 第4楽章の再現部に入ったあと、(Poco)meno mossoから大きくテンポを落したのはスコアの指定通りだが、そのあとのTempoⅠの個所に入ってもまだテンポを回復させなかった(ように聞こえた)のは、彼のことだから何か根拠があってやっていたのかもしれないが、私の正直な印象で言えば、このあたりから終結部に入るまでの間では、演奏にやや誇張めいたものが感じられ、その結果、音楽にもやや弛緩が感じられてしまったのだが。

 日本フィルは、今日は、ありていに言えば、まず並みの演奏、という出来であろう。

 終演後、ホワイエで「シーズン・ファイナル・パーティ」が開催された。無料でドリンクがふるまわれる。これは事務局及び楽員と横浜の聴衆との交流を狙いとするもので、シーズンの最終定期のあとに毎年やっている企画だそうである。こういうところが、昔から聴衆との結びつきを重要視している日本フィルの偉いところだ。
 私も1杯のソフト・ドリンクにでもあずかろうかとカウンターへ足を運んだのだが━━お婆さん連中の割り込み、押しのけ、突き飛ばし、ビールのコップをひとにぶつけながら邪魔そうにこちらを睨みつけて通り過ぎる荒々しい行動に怖れをなし、諦めて早々に退散した。あとで聞けば、オーボエ・クァルテットの演奏などの出しものもあったそうである。

 巷では若者たちの礼儀知らずが指摘されていますが、クラシックの会場では若者たちは常に礼儀正しく、むしろ高齢者たちのほうに、横柄で乱暴なのが多いのです。威張る、すぐキレる。
 特にロビーなどでガンと人にぶつかりながら知らん顔をして通り抜けて行く男の高齢者の多いことは、驚くほどですな。私も高齢者のはしくれ(?)ゆえ、気がつかぬうちにやっているかもしれない。自戒しましょう。

コメント

後半の「シーズン・ファイナル・パーティ」での記述について

クラシック・コンサート常連者(関係者含む)と思しき人種の中にも聴き方、考え方の甘い人間は居るわけですから、こういったマナー違反者が減るわけがないのですよ。何せ「極当たり前のこと」と“容認”してしまっている人も居るわけですからね(少なくとも初心者、一般客からはそう見られる)。情けない話です。 この、日フィルの高齢者客達は、演奏中も周囲に迷惑をかけていますよ。 お菓子の袋を開けてポリポリ食う、 飲み物の缶やペットボトルを開けて飲む(おまけにそれをこぼす)、 飴の包みを開ける、私語は日常茶飯事。 何度注意したり、注意している人を見かけたことか・・・。今や○響定期会員をも凌ぐ凄まじさです。 日フィルのファンとの触れ合いを大切にしているという趣旨は素敵なことなのに、安直な勘違い者も多数増やしてしまっているのも実情。 常連者がもっとしっかりしなければいけないのに(関係者は相手が客である以上、慎重にならざるをえない)。繰り返すが、本当に情けない話です。

こんにちは
酷いのは音楽会のお客様のみならず、「何とかを歌う会」とか演奏会にくっつく素人合唱の練習でも「この人達、何なんでしょうね」て思う場面があります。ですが、そうした人達に遠慮いただくと楽しみを奪ってボケしまい介護とか社会全体の負担が増える、て後々の影響が予想されます。
社会全体トータルで考えると現状黙認が妥当なのかもしれません、イマイマしいですが。

神尾さん

神尾さんの演奏に関するくだり、なるほどと膝を打ちました
わたしも全く同感に思います
それと日フィル“並みの出来”、それにも同感
こんな演奏していたらダメです
シティフィル(第九)など、ものすごかったので、比較してしまいます

お客様との交流も結構ですが、争議もとっくの昔に終わったのですから、演奏の魅力でチケットを売るオーケストラになって欲しい。そのためには、主力指揮者陣の谷間に良い人材をきちんと得て行くことも、重要かと思います。

責められるべきは、日本フィルの、一部の聴衆の態度であり、日本フィルの活動(聴衆とのパーティ等や歴史)そのものが責められるべきではないと思います。

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