2017-09

2016・12・18(日)静岡交響楽団第69回定期演奏会

      静岡市清水文化会館マリナートホール  2時

 前日、びわ湖ホールで「ラインの黄金」(来年3月上演)の入門講座を一席喋ったあと、清水に立ち寄って静岡交響楽団の定期演奏会「ベートーヴェン・シリーズ4 県民参加による《歓喜の歌》第九コンサート」を聴く。
 この会場を訪れるのはこれが2回目。東海道線清水駅に回廊で直結したホールで、目の前には富士山と駿河湾が見える。風光明美な点では全国でも指折りのロケーションといえるだろう。

 プログラムの第1部を指揮したのは、何と、静岡県の川勝平太知事だ。
 ベートーヴェンの「第7交響曲」第1楽章を、静岡響と静響ジュニアオーケストラ、常葉大学短期大学部音楽科による合同オーケストラとともに演奏した。
 川勝知事は、もともと早稲田大学経済学部教授や静岡文化芸術大学学長などを歴任した学者さんで、ヴァイオリンも弾き、高校時代はオケもやっていた由。指揮姿もすこぶる堂に入ったものである。

 ただし本職ではないから、イメージ的に振るのは当然だ。それゆえ、棒に頼らなくては弾けないようなレベルの弦楽器奏者の何人かが「飛び出す」ヘマをやる。こんなのは、コンサートマスターか首席奏者を見て出れば合うはずなのだが・・・・。
 知事は、慎重に振ったために、終始イン・テンポになり、盛り上がりを欠いたのは惜しい。次の機会にはもっと図々しく構えて、テンポを速めたり煽り立てたりする指揮も試みられたい。いずれにせよ、県知事がオーケストラの指揮をするなどというのは、非常に結構なことである。

 さて本来の「第9」の方を指揮したのは、静岡響常任指揮者の篠崎靖男であった。
 几帳面に音楽をまとめ、オーケストラをしっかりと構築する。この演奏に、さらに自由な感興を加え、もっと聴き手の心を揺り動かしてほしいところだ。演奏の骨格がしっかりしているのは、コンサートマスターの高木和弘をはじめ、各パートの首席に、白土文雄(コントラバス)ら、名だたる奏者を招聘しているからでもあろう。
 ソリストは西尾舞衣子、永井和子、五十嵐修、桝貴志。「県民参加による合唱団」も大いに健闘していた。

 演奏終了後には客席から「日本一!」という掛け声(これは知事が振ったあとにも聞こえたが)が飛ぶなど、微笑ましい雰囲気もあった。なお開演前には「ロビーコンサート」として、ホワイエの一角で、静響メンバーを加えた静岡ジュニアオーケストラの面々が篠崎の指揮でルロイ・アンダーソンの「そりすべり」を演奏していたが、若い人たちの真剣な演奏態度は、視る者に強い感銘を残した。
 演奏会は、4時前に終る。だれでも参加していいというティーパーティなどもあったが、些か疲労を覚えたのでそのまま失礼する。清水から静岡まではJRでたった10分。静岡駅4時37分の「ひかり」に乗る。

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