2017-09

2016・12・8(木)寺岡清高指揮大阪交響楽団

     ザ・シンフォニーホール(大阪)  7時

 常任指揮者・寺岡清高による、コルンゴルトとツェムリンスキーを組み合わせたプロ。
 コルンゴルト~ツェムリンスキー編の「雪だるま」前奏曲とセレナード、コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」(ソロは小林美樹)、ツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」。

 東京のオケでも最近はあまり見られなくなってしまったような、意欲的なプログラムだ。決しておなじみとは言えない曲ばかりなので、お客さんがどのくらい来るかとちょっと心配だったが、実際には80%近く入っていたのではなかろうか。コンサートマスターは森下幸路。

 この3曲の中では、何といっても「人魚姫」が圧倒的に快演だった。予想を上回る見事さと讃えていいだろう。幻想的な味を湛えた分厚いオーケストレーションが、均衡を保ちながらも豊かな色合いを以って再現され、起伏感と緊張感も素晴らしいものがある。特に全曲幕切れで音楽が浄化されて行く個所での美しさは印象的だった。
 おそらく、指揮者もオケも、今回はこの「人魚姫」に全力を傾注していたのではないか、と想像するのだが・・・・。

 もちろん、他の2曲の演奏が手抜きだったなどという意味ではない。コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」では、ソロの小林美樹が力のこもった演奏を繰り広げていた。ただ、オーケストラは━━第3楽章結尾の決め手であるホルン群にもう少し昂然たる気魄がみなぎっていてもよかったような気もするし、全体にいわゆる「コルンゴルト節」がもっと濃く浮き出ていてもよかったのでは、と思うのである。
 結局やはり、「人魚姫」での色彩感に富んだ演奏が、この日の印象を独り占めにしてしまった、ということか。

 寺岡清高と大阪響の演奏を聴いたのは、考えてみると、ハンス・ロット特集の定期以来のことのようだ。あの時に比べると、今夜の演奏は極めてまとまりが良い。1度や2度の演奏を聴いただけで云々するのは早計かと思うけれども、大阪響の音のバランスは、このところ良くなっているような気がする。

コメント

寺岡/大阪響の魅力

寺岡/大阪響のプログラムも興味深いが彼らの演奏を聞いた後の清涼な感動は今回特に感じられた。独奏の小林美樹さんのコルンゴルドも同様な出来でVnの音色が魅力だ。児玉さんが去り孤軍奮闘であるが彼らのピアーなウイーン世紀末の演奏は今後も聞き逃されない。来期の定期2017/4/13日のシュミット2番、2018/1/12日ロット、マーラー1番1893ハンブルグ稿ぜひ聞きたいと思う。

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