2017-08

2016・11・28(月)大野和士指揮東京都交響楽団

     東京文化会館大ホール  7時

 これは定期Cシリーズ(失礼、Aシリーズでした)。
 ベルクの「アルテンベルク歌曲集」、ラヴェルの「左手のためのピアノ協奏曲」、マーラーの「交響曲第4番」。意欲的なプログラムである。ソプラノは天羽明惠、ピアノはピエール=ロラン・エマール。コンサートマスターは矢部達哉。

 このところ連日連夜、よく響く音響のホールで、米・独・仏の大オーケストラの壮大な演奏に浸っていたあとに、われらの日本のオーケストラを、この残響の少ない、音が裸で聞こえるホールで聴くと、些か戸惑いを感じる。曰く、細身のサウンド、室内楽的な精緻さを持った几帳面なアンサンブル、指揮者に従順な演奏スタイル、おとなしさ、淡彩な音色━━という言葉が、どうしても実感を以って浮かび上がって来てしまうのだ。

 これがよくも悪くも、日本のオーケストラの個性なのだな、と考えながら聴く。
 また先年、欧米の音楽評論家を招聘して行われたシンポジウムで、日本側パネラーを務めた時に力説したようなこと━━この日本のオケの個性を世界の楽壇において強い発言権を持たせるにはどうしたらいいか、などとも考えながら聴く。

 もちろん、大野のマーラーにも、他の外国人指揮者とは異なる独自の立派な主張が備わっているし、都響の演奏もまた、極めてまとまりの良いものだ。特に後半の2つの楽章での演奏は、充実していた。この演奏を、もっと豊潤な響きのあるホールで聴いたなら、おそらく全く異なった印象になるだろう。
 なお、声楽ソロの天羽明惠は、マーラーの第4楽章で好演を聴かせてくれた。ピアノのピエール=ロラン・エマールは豪壮で鮮やかなラヴェル。そしてソロ・アンコールで弾いたブーレーズの「ノタシオン」の1曲が極め付きの快演。

コメント

天羽さん

いつも拝読させて頂いております
すみません
月曜文化会館ですとAシリーズですね
日曜Cシリーズ芸術劇場では歌が聴こえにくかったと
仰る方が多い様です
月曜日はわたしも聴きに行きました
天羽さんのマーラーがとても良くて感激しました

先生ご指摘の日本のオーケストラの個性の問題、ほんとうに大きいテーマだと思います。一度、日本のオーケストラにポストを持っているシルヴァン・カンブルランとか、パーヴォ・ヤルヴィとか、ジョナサン・ノットとか、そういう人たちの意見も聞いてみたいと思いました。

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