2017-07

2016・11・24(木)ダニエル・ハーディング指揮パリ管弦楽団

     東京芸術劇場 コンサートホール  7時

 新・音楽監督ダニエル・ハーディングとともに来日したパリ管弦楽団、この日はブリテンの「ピーター・グライムズ」からの「4つの海の間奏曲」、ブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」(ソロはジョシュア・ベル)、ベルリオーズの「ロメオとジュリエット」抜粋。奇しくも英・独・仏の「3大B」というプロか。

 パリ管弦楽団━━久しぶりにこのオーケストラらしい、輝かしく伸びやかな演奏が日本で聴けたと言ってもいいのではないか。
 初来日時(1970年)のプレートルとボードの指揮の時を別として、その後はバレンボイムの指揮の時にも、もちろんビシュコフの時にも、エッシェンバッハの時にも、そしてパーヴォ・ヤルヴィの時にさえも、こういうブリリアントな音は聴けなかった。
 今後、ハーディングとパリ管がどのようにやって行くのかは判らないけれども、少なくともこの演奏会を聴いた限りでは、両者の相性はなかなか良いように感じられる。

 冒頭から、ブリテンのこの「間奏曲」集が実に輝かしい音色で始まったのに心を打たれる。これぞパリ管、というイメージだろう。
 ただしこの「ピーター・グライムズ」は、正直なところ、ハーディングがこのオペラを指揮したらどうなるか、という期待はあまり持てない演奏ではあったが・・・・。ごつごつしたつくりの鋭角的な表情が印象に残る、ちょっと意外な解釈ではあった。

 ブラームスの協奏曲も、ハーディングらしく、かなり勢いのいい、攻撃的な演奏をつくっていたのが面白い。ジョシュア・ベルがこれに呼応して、特別なカデンツァ━━自作の由━━を演奏するなど激烈なソロを展開。彼も身体は細身だが、昔に比べると音が太くなり、豪快さを増したようである。

 私の最大の目当ては、ベルリオーズの「ロメオとジュリエット」だ。
 この日は、「ロメオひとり~キャピュレット家の饗宴」「愛の場面」「マブ女王のスケルツォ」「キャピュレット家の墓地でのロメオ~ジュリエットの目覚め」という、原曲に沿った順序で演奏されたが、これはシンフォニーの楽章構成にも共通する順序だろう。ただ、楽器によるレチタティーヴォのような曲想ばかりが続く墓地の場面の音楽は、最後の「楽章」を構成するには少しアンバランスな感もないではないが━━。
 しかしこのベルリオーズの作品こそ、まさにパリ管ならではの輝き、壮大さ、闊達さ、自由さが生きた演奏だったのではなかろうか。「愛の場面」での豊麗さなど、フランスのオケでなければ出せぬ味である。
     モーストリー・クラシック2月号 公演Reviews

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