2017-06

2016・11・23(水)マリオ・ブルネロ&キャサリン・ストット

      紀尾井ホール  2時

 チェロのマリオ・ブルネロと、ピアノのキャサリン・ストットのデュオ・リサイタルを聴く。
 前半はシューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」とマーラー~デレヴィアンコ編の「亡き子をしのぶ歌」、後半にイザイの「無伴奏チェロ・ソナタ」、ペルトの「フラトレス」、ストラヴィンスキーの「イタリア組曲」というプログラム。

 ブルネロの演奏を聴くのは、もう何度目かになるけれど、なんとも不思議な名手ではある。音色は美しいし、テクニックも充分あるのに、何故か高音が甚だ不安定なのだ。その代り、中低域のたっぷりした響きの風格、スケールの大きさ、音楽の豊かさたるや、比類ない高みに達していると来ている。
 まあ、そんな特徴も影響してか、今日の第1部はあまり良い出来とは言い難かった。期待したマーラーの「亡き子をしのぶ歌」のチェロ版も、意外に面白くない。ストットの演奏も、思いのほか、控えめにとどまっていたようである。

 ところが休憩後、ブルネロの演奏は一変する。無伴奏のイザイのソナタにおける音楽の雄大さは衝撃的なほどで、これはまさに彼の本領発揮であろう。

 次のアルヴォ・ペルトの「フラトレス」でも、ブルネロはこの上なく豊かで深い音楽を聴かせてくれた。
 特にこの曲では、途中からストットのピアノが加わるのだが、その最初の一撃で彼女が聴かせた激烈な音楽は、私たちをぎょっとさせたほど、魔性的な性格を帯びていたのである! 
 そしてそのあと、彼女のピアノが祈りの鐘のような音型を繰り返しつつ、チェロとともにゆっくりと進んで行くのを聴きながら、私は何か深い深い世界の中に引き込まれて行くような、陶酔的な安息の快感を味わった・・・・。

 最後の「イタリア組曲」が、2人の闊達な演奏とともに終ったのが4時10分。そのあとアンコールが3曲ほど演奏されたそうだが、私はその前に失礼し、タクシーに飛び乗ってサントリーホールに向かう。

コメント

大阪と京都で拝聴しました!

11月17日にシンフォニーホールで関西フィルハーモニー管弦楽団とのコラボ。そして19日に京都の青山音楽記念館でのリサイタルを拝聴しました。私、ブルネロさんの演奏は初めてなのですが、とてもあたたかいお人柄を感じました。関西フィルさんの時はハイドンのチェロ協奏曲でしたが、関西フィルさんの実力が上がったのか、呼応してるような感じがしました。リサイタルでは、ストットさんとの息もぴったりだったと思います。京都の青山音楽記念館のインタビューでは「自分の弾いている音楽が言葉になって相手届く感覚」とおっしゃったとおり、私にはとてもあたたかいものが伝わってきて涙うるうる。音楽というのは音色を聴くだけでなく、相手の魂の声を聴く事なんや!って実感しています。貴重なひとときを有難うございました!

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