2017-04

2016・11・9(水)チェーホフ:「かもめ」

    東京芸術劇場プレイハウス  7時

 これはオペラではなく、木内宏昌の翻訳と台本、熊林宏高の演出による演劇。
 登場人物の名も、ストーリーの内容も原作に準じながら、台詞や舞台設定は完全に「現代風」にしている。ガリガリのチェーホフ・マニアにとってはどうか知らないけれども、正統(?)演劇には門外漢の私などにとっては、今回のようなスタイルはすこぶる面白い(おそらく、オペラの演出においても、似たようなケースが起こり得るだろう)。

 出演者たちがみんないい。
 女優志望の娘ニーナを演じた満島ひかりが、よく通る声で早口の台詞も見事にこなしていた(最初のうちちょっと聞き取れぬところもあったが)のは好感が持てる。例の「トットてれび」で見せた黒柳徹子の喋り方の物真似を一瞬織り込んだのはご愛敬だろう。
 また、原作では主役とは言えぬマーシャを、中嶋朋子が実に巧く印象的に表現していた。イリーナ・アルカージナ役の佐藤オリエも、貫録の存在感である。

 そのほか、田中圭(ボリス・トリゴーリン)、坂口健太郎(コンスタンチン・トレープレフ=コースチャ)、渡辺哲(シャムラーエフ)、あめくみちこ(ポリーナ)、山路和弘(ドールン)、小林勝也(ソーリン)、渡辺大知(メドヴェジェンコ)ら、全員がそれぞれの性格を生き生きと演じている。年輩の俳優たちがどっしりとした味で舞台を支えていたのはさすがというべきか。
 原作における活動的で意欲的な女性たちと、何か気弱でおとなしい男性たちとの対比が舞台で明確に描かれていたのも、今回の演出と演技のしからしむるところだろう。
 休憩20分ほどを挟んで終演は10時になったが、長さは全く感じられない。

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