2017-05

2016・11・6(日)下野竜也指揮東京シティ・フィル

       東京オペラシティ コンサートホール  2時

 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の秋の定期は、ベルリオーズ・ツィクルスとでもいうべきプログラム。
 9月に高関健指揮で「ファウストの劫罰」を演奏会形式上演したのを手始めに、11月定期が今日の下野竜也指揮による「幻想交響曲」、12月には広上淳一指揮で「イタリアのハロルド」を組んでいる。しかも11月と12月の定期には、各々に「ベルリオーズの失恋劇場 その1 悪夢に苦しむ男」、「(同)その2 男の刹那な最期」という、不思議な副題がつく。

 下野竜也の指揮は、さすがに見事だ。細部を揺るぎなく綿密に仕上げ、どちらかと言えば骨太な響きで作品を構築して行く。緩徐個所では音楽を極度に沈潜させたかと思うと、クライマックスではテンポを速めて、それこそ怒涛の如く盛り上げ、熱狂の終結に導く。
 第2楽章「舞踏会」でコルネットのパートを復活させ(但しロータリー・トランペットによる)、煌びやかな効果の導入をねらったことも興味深い。

 そして、シティ・フィル(コンサートマスターは松野弘明)の演奏は、管の一部に僅かの瑕疵はあったことを別とすれば、すこぶる立派でスケールが大きく、最近の演奏水準の上昇気運を感じさせた。
 こういう充実した演奏をしているのだから、もっとみんな聴きに行ってもいいのに・・・・と思うのだが、オーケストラ側でも、もっとシティ・フィルの知名度を高め、ファンに聴取習慣を植え付けるための方策を講じることも必要だろう。

 なおプログラムの第1部では、モーツァルトの「ピアノ協奏曲第25番ハ長調」が、菊池洋子をソリストに迎えて演奏された。これも真摯で堂々たる演奏である。彼女のモーツァルトは定評のあるところだが、私はナマで彼女のコンチェルトを聴ける機会がなかなか無かったので、今日は大いにその闊達かつ思索的な演奏を楽しませてもらった。
 カデンツァの中にパパゲーノのアリアなどが顔を見せたので、面白いなと思い、あとでご本人に確かめたら、グルダやリリー・クラウスのカデンツァにやはり彼女の自作を組み合わせたものだとのこと。こういう手法は良いですね。

コメント

カデンツァ

いつも興味深く拝見させて頂いております
カデンツァ! そうでしたか
面白いなあ、と思いながら聴いていました
プレ・コンのクラリネット(山口真由さん)が良かったです

骨太で硬い音

う〜んそうですか。首席指揮者客席ご来場で、オケもはりきったでしょうけど。
モーツァルトは良かったです。私もカデンツァ面白いと思いましたが、アレンジものなんですね。こういうのはプログラムに記載してほしいですね。
ベルリオーズは、東条先生言われる通りなんでしょうけど・・・。骨太で硬い音であっても、さらに美しい響きが得られるよう、一段の努力をお願いしたいと思いました。

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