2017-09

2016・11・4(金)ブロムシュテット指揮バンベルク交響楽団

     東京オペラシティ コンサートホール  7時

 ブルックナーの「第7交響曲」が目玉。

 「ノヴァーク版」とプログラムには書いてあったが、たしかにティンパニは入ったけれど、シンバルはなかった。
 これは、「ノーヴァク版」からシンバルを除いたもの、というより、「ハース版」にティンパニを加えたもの、と言った方が当たっているだろう。終楽章のテンポがノーヴァク版ほどの変化を示さず、ほとんどハース版のような安定を保っていたからである。

 ともあれブロムシュテットは、チェロとコントラバスの低音をずしんずしんと響かせ、強固な低音の上に音を厳然と組み立てて行くという、往年のドイツのオーケストラのサウンドを蘇らせる。バンベルク響はさすがによくそれに応えていた。こういう音のブルックナーは、大きな魅力がある。

 前半2楽章はかなり遅いテンポで進められ、特に第2楽章はまさに総譜の指定通り「極めて荘重に」演奏されて行った。第3楽章は一転して「極めて速い」テンポになったが、これも総譜の指定通りである。
 第1楽章コーダでの雄大なクレッシェンドと昂揚感は並外れており、ここでの指揮者の気魄とオーケストラの燃焼は、今日の演奏の中でも特筆されてよい個所だろう。
 先日のメータとウィーン・フィルの「7番」は美しいだけの(但し卓越していた)演奏だったとも言えるが、今日のブロムシュテットとバンベルク響の演奏には、とてつもない厳しさと、それが生み出す魔性のようなものが備わっていたように思う。

 当初は「エグモント」序曲と発表されていた第1部のプログラムは、モーツァルトの「交響曲第34番K338」に変更になった。これまた、剛直にして武骨、強靭かつ重厚なモーツァルトである。ノンヴィブラートの弦による硬質な音色が分厚く響いて力感を出し、強固なティンパニがそれをさらに煽る。
 終楽章など、もしウィーン・フィルが演奏すれば、音楽は解放的に、高く飛翔して行くような印象を与えるだろうが、今日のコンビによるそれは、強い推進力でひたすら突き進む音楽になるのである。
    音楽の友新年号 Concert Reviews

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