2017-05

2016・11・3(木)シモーネ・ヤング指揮東京交響楽団

      ミューザ川崎シンフォニーホール  2時

 つい最近までハンブルク・オペラとハンブルク・フィルのシェフだった女性指揮者シモーネ・ヤングは、この秋には東京二期会の「ナクソス島のアリアドネ」を指揮することになっている。私も数年前ハンブルク・オペラで、彼女の指揮する「指環」ツィクルスを聴いたことがあるが、緊迫感も推進力も充分な演奏だった。
 ただ、コンサートで彼女を聴くのは、今回が初めてである。興味津々で聴きに行ったというわけだ。

 何といっても、ブラームスの「第4交響曲」が良かった。
 ホールの最上階(ここは音がよく響いて好い)で聴いたせいかもしれないが、柔らかく重厚な音が豊麗に拡がり、いかにも良き時代のドイツのブラームス、といった音楽が湧き上がって来るのである。10本のチェロと8本のコントラバスを力強く響かせ、分厚い中低音の上に音楽を構築して行くという「ドイツ風」の演奏は、最近ではあまり聞かれなくなったスタイルだが、久しぶりにブラームスでそれを聴くと、やはり好いものだ。
 この安定した低弦と内声部が、第4楽章でのシャコンヌの形式を明確に浮かび上がらせる結果となっているので、いっそう納得が行く次第である。

 そして彼女の音楽は、いつものようにエネルギッシュで、起伏感も大きい。昂揚する個所ではテンポをぐんぐんと速め、怒涛の勢いでコーダに殺到する。第1楽章の終結部、及び第4楽章の終結ではそれが存分に発揮されていた。第3楽章も疾風のごとき速さである。
 だがその一方、第2楽章ではかなり遅いテンポを採り、あわや止まってしまうかと思えるほどの沈潜の深みに没入して行く。あの素晴らしい弦楽合奏による第2主題(41小節からと88小節からの)を、極めて柔らかく、メゾフォルテともいうべき控えめな音量で演奏させていたのも印象的だった。

 東京交響楽団(コンサートマスターはグレブ・ニキティン)も彼女の指揮によく応えてたっぷりと響いていた。だが時々、何か不思議に音同士の「間」が繋がらず、音楽の流れがその都度切れてしまうように聞こえたのは、欧州演奏旅行から帰国したばかりの時差ボケゆえだったか?

 第1部で演奏されたのは、ドヴォルジャークの「チェロ協奏曲」。ソリストはアリサ・ワイラースタイン。楽器の音色は素晴らしいが、何か自分勝手に弾いているような感じのするチェリストだ。ヤングの方も、第1楽章冒頭の提示部は勢いよく出たが、その後は何となくチグハグのてい。

コメント

シモーネ・ヤングはブルックナー2番のCDで感銘を受け、更に、廉価だったので「指環」(全曲)も買ったほど好きな指揮者になっていたので期待して聴きに行ったのですが、個人的にはやや失望。「良かった」とおっしゃるブラームスも、テンポをやたら動かすので落ち着いて聴いてられない、終楽章コーダの部分もアッチェランドをかけすぎで楽員が弾き切れず(のように感じた)、結果として響きが薄くなってしまった、アシュケナージみたいに肘を突っ張るような固い腕の動きが響きとリンクしない等々(ごめんなさい、文句ばっかり言って)、幾つかの不満が重なって満足感に浸れる演奏会とはなりませんでした。
でも、如上のコメントを読ませていただくと、やはり、まだまだ修行が足らんという気持ちにもなり、また足しげく通うことになりそうです。

期待

どちらかというと、ひでくんさんのご感想に同調します
期待が大きすぎたのかなあ
いずれにしても、ご指摘の様にオーケストラは少々頂けなかった様に思います

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