2017-05

2016・11・1(火)ブラック・ダイク・バンド

      東京芸術劇場 コンサートホール 7時

 英国の超弩級バンド、「ブラック・ダイク・バンド」(1855年創立)が来日、何と26年ぶりだという。
 音楽監督・首席指揮者ニコラス・チャイルズ博士の指揮で、ジェイムズ・ケイの「クイーンズバリー」やピーター・グレイアムの「シンフォニー・オブ・スカーレット&ゴールド」をはじめ、ベルリオーズの序曲「海賊」からルイ・プリマの「シング・シング・シング」にいたる幅広いテリトリーの作品を演奏してくれた。

 今回は30名ほどの編成。舞台中央に密集した形で座る。
 その演奏の、とてつもなく豪壮華麗で上手いことと言ったら! 「ヴェニスの謝肉祭」ならぬ「ヴェヌスの謝肉祭」でゲイリー・カーティンが披露したユーフォニアムの超人的な妙技に、あるいはホールを揺るがす熱狂的な「シング・シング・シング」に、満員の若い聴衆が沸き返る。

 だがその一方、ポール・ロヴァット=クーパーの「ファイアー・イン・ザ・ブラッド」におけるような、金管群が豊麗につくり出す、完璧な均衡を備えた和音の力強い空間的な拡がりも、見事というほかはない。
 同じ作曲家による「トレボーン湾のほとりで」という曲でも、ゾイ・ハンコックの吹くフリューゲルホーンを包むように最弱音で拡がり行く、完璧なバランスをもった夢幻的な和声の響きの美しさ。こういう演奏は、派手で華麗なそれに比べると拍手もあまり盛んでないのは残念だが、私が一番心を打たれたのは、この叙情的な音色の素晴らしさだった。

コメント

厳か

いつも興味深く拝読させて頂いております

わたしが、強く心を揺さぶられたのは、深紅と黄金の交響曲のなかで、非常に弱音でのハーモニーがパイプオルガンの様に響いた厳かな場面です

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