2017-07

2016・10・23(日)山下一史指揮 千葉交響楽団

     千葉県文化会館大ホール  2時

 ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉(1985年創立)がこの10月から「千葉交響楽団」と改称、第100回記念定期演奏会を迎えた。第100回を記念して改称したのではなく、改称した月の定期公演がたまたま第100回だった、ということのようである。
 そして指揮は、この4月から音楽監督となった山下一史。彼の就任披露は、すでに5月の第99回定期で行なわれている。このオーケストラの年間定期回数は、2回である。

 今日のプログラムは、モーツァルトの「交響曲《ジュピター》」、山本純ノ介の「千の音と楽の葉」(100回記念委嘱作品・世界初演)、ストラヴィンスキーの「火の鳥」組曲(1919年版)。

 私もこのオーケストラをナマで聴くのはこれが初めてだし、山下一史の指揮ということもあって、大いに期待してやって来たわけだが、「ジュピター」の冒頭が実に歯切れよく、明るい音で、活気にあふれて始まったので、すっかり気持が良くなった。4月から特任コンサートマスターになっている神谷未穂を先頭に、弦楽セクションが張りのある音を響かせる。金管楽器の一部には僅かに気になる個所があったけれども、オーケストラのまとまりはいい。山下がよく引っ張っているな、という感である。

 これは「火の鳥」でも同様である。この曲では、最弱音から爆発点にいたるまで均衡豊かな響きを保ち、「魔王カスチェイの凶悪な踊り」やフィナーレの昂揚個所では、極めて重量感に富んだ演奏を聴かせてくれた。
 このオケの正規団員は、今年1月時点では25名(現在は27名?)なので、「火の鳥」では30名超の客員奏者を加えての演奏ということになるが、山下一史の制御は上々だったようだ。演奏に色合いの変化が不足するとか、几帳面に過ぎるとかという問題はあるだろうが、現時点ではこれ以上を望むのは酷というものだろう。

 山本純ノ介の、千葉響のために書かれた「千の音と楽の葉」は、作曲者の解説によれば、「千葉・・・・ちば・・・・CHIBA・・・・CHI-BACH-IBA」という発想のモティーフが隠されている由。プレトークの際に、このモノグラムが実際に楽器で紹介されていれば、お客さんの愉しみも倍加したに違いない。
 曲は、一聴した感では、かなり精妙な管弦楽法を備えた作品である。特に「序曲」の部分ではオーケストラ全体を持続的に貫く強靭な響きが強い印象を残し、「コンチェルト・グロッソ」の部分では、木管の特殊奏法━━クラリネットの重音奏法は見事だった━━などを含むオーケストラの多様な響きが聴き手の耳を奪う。

 最後の「火の鳥」が終ったあと、山下音楽監督が「プレトークで言い残したこと」として「定期100回記念」に関するスピーチをまた行ったが、喋りたいということは理解できるものの、話が長すぎる。
 アンコールは「火の鳥」の「子守歌」から「フィナーレ」にかけての部分。
 ともあれ、音楽監督と千葉響の新しい門出を祝い、今後の活動に期待を寄せたい。
      音楽の友12月号 演奏会評

コメント

まことにジュピター素晴らしゅうございました。このホールこんなによい響きがするものだったかしらんとあやしむほどに。年二回だけの定期なので、在京の多忙な楽団連とちがってフレッシュなのでしょうか。山本純ノ介さんの曲は難しそうですが聴きやすかったです。実におもしろく佳曲です。今回良い演奏をした千葉響が実演で広めてほしいです。BACHはうっかりしていてわかりませんでした。純ノ介さんはお父さんの直純さんとは全く似ていませんね。顔も性格も。学者さんですからね。

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