2017-11

2016・10・19(水)シルヴァン・カンブルラン指揮読響、五嶋みどり

      サントリーホール  7時

 定期演奏会。シューベルト~ウェーベルン編の「6つのドイツ舞曲」、コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」、ヨハネス・マリア・シュタウト(1974年生れ)のヴァイオリン協奏曲「オスカー」(日本初演)、デュティユーの「交響曲第2番《ル・ドゥーブル》」。

 かなり渋い大胆なプログラムで、在京民間オーケストラの並々ならぬ意欲を物語る演奏会だが、それでも結構な盛況だったのは、五嶋みどりの出演と、読響の定期の最近の集客力の強さゆえだろうか。
 コンサートマスターは、最初の3曲が日下紗矢子だったが、最後の「ル・ドゥーブル」では彼女はソリストグループにまわり、その後ろに座った長原幸太がコンマスを務めた。

 カンブルランと読響の演奏は、多彩な音色を駆使して、今日も好調である。
 最初のウェーベルン編「6つのドイツ舞曲」では、弦の抑えつけたようなリズムが異様な重さと暗さを出して際立っているし、「ル・ドゥーブル」でも、輝かしく清澄で、しかも自然な演奏の見事さに、快いシャワーを浴びているような感覚に引き込まれてしまう。

 五嶋みどりの演奏が、また凄い。コルンゴルトの第2楽章では危ういほど沈潜した音楽を聴かせ、他の2つの楽章でも嫋々たる官能の世界をつくり出す。この曲、こんな曲だったかな、と思わせられた理由のもう一つは、各主題の旋律線が埋もれてしまうほどに濃厚な表情で弾かれていたからかもしれない。辛うじて、カンブルランと読響が響かせた、のちにジョン・ウィリアムズがそれを真似た映画音楽のような金管群の咆哮が、これがコルンゴルトの作品だったことを思い出させたのであった。

 シュタウトの協奏曲は、2014年に五嶋みどりが初演、彼女に献呈されたものとのこと。ネットでスコアを覗き見した時には気が付かなかったが、前半の部分でピッチカートの続く緊迫した弱音の個所が、ジョン・アダムズのオペラ「ドクター・アトミック」の中の、原爆実験が開始される直前の場面の音楽を思い出させる。これも五嶋みどりの厳しい集中力に富む演奏によって、この曲の場合は、まるで「冷たいシャワー」を浴びるような感覚に引き込まれたのであった。
 
 それにしても、「オスカー」という、アカデミー賞みたいなタイトルは、どういう意味でしょう? プログラムの解説には触れられていないし、ネットのサイトをチラチラ覗いてもすぐには出て来ない。どなたか、詳しい方のご教示を賜りたい。

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