2017-06

2016・10・6(木)パーヴォ・ヤルヴィ指揮N響 マーラー「3番」

      サントリーホール  7時

 NHK交響楽団90周年とサントリーホール30周年を祝う特別公演で、マーラーの「交響曲第3番」が演奏された。コンサートマスターは篠崎史紀。協演はミシェル・デ・ヤング(メゾ・ソプラノ)、東京音楽大学合唱団、NHK東京児童合唱団。

 パーヴォらしく、実に明晰で、些かの翳りもない、割り切った演奏だ。白日の下にさらけ出されたマーラーである。テンポも速めで、演奏時間は総計で100分を下回っていたのではないか。
 第3楽章などでの、快速テンポでリズミカルに進んで行くさまは、見事なほどに快調そのものだ。安息感から昂揚感へゆっくりと移って行くはずの第6楽章も、屈託なく、どんどん盛り上がって行く(おかげで意外に短く感じられたが・・・・)。

 こういう演奏は、マーラーの音楽にある巨大なエネルギー性を浮き彫りにするもので、それはそれで一つの手法ではあろう。ただ、マーラーの複雑怪奇な心理状態の面白さ、陰翳と多彩さが交錯する彼の音楽の怪奇な面白さを、ここまで綺麗さっぱり拭い去ってしまう演奏は、私はその存在意義は認めるけれど、どうしても心からそれに浸ることはできない。
 N響の演奏の技術的な高さに感心して聴いているうちに、気がつくと交響曲はいつのまにか、頭の上を通り過ぎて行ってしまっていた━━とでもいうか。

 なお、第5楽章で「ビム、バム」を歌う児童合唱団の最前列ほぼ中央の1人の児童が貧血でも起こしたのか、起立できないという出来事があったが、大丈夫だったろうか。
 そういえば、6年前の3月にインバルと都響がこのホールで「3番」を演奏した際にも、P席に座っていた児童合唱団の最前列の子の1人が居眠りしていて起立せず、次いでその隣の子まで貧血を起こして座り込むという事件があったが━━日記をひっくり返してみたら、あれも今日と同じNHKの児童合唱団だった。

コメント

お疲れさまです。 「実に明晰で些かの翳りもない白日の下にさらけ出されたマーラー」 まさしくそうでした! 第2楽章(他、静かな部分)の綺麗なこと!!   第1楽章冒頭から驚く程の快速テンポで、確かに第6楽章は 「アレッ? もうエンディング?」というくらいにアッという間に終わってしまいました(悪い意味ではなく、それだけこのコンビの演奏が天国的に心地好かったということ)。 特に第1楽章の最後と同じ楽章の中間の軍楽調の部分は超かっこ良かった!! これぞパーヴォの音楽!! 来年演奏される「6番」が今から楽しみ。  「マーラーの複雑怪奇な心理状態を探る面白さ、陰翳と多彩さが交錯する彼の音楽の怪奇な面白さをここまで綺麗さっぱり拭い去ってしまう演奏」 → いずれ演奏されるであろう「7番」が楽しみです。  「児童の貧血」 → どう見ても小学校低学年と思しき子供達が、ほんの4分の楽章だけのために1時間以上もステージ上(正確には2階客席)にスタンバイしていなければならないというのは相当にキツイはずで (かといって楽章の間に登場して拍手でもおっ始まった日にゃ興醒めだ)、それであのお行儀の良さは本当に立派だと思います(一部のお客さん、見習って下さい)。1人くらいそういう子が出てもしょうがないですよね。 それよりも気になったのは、2階LAブロック後方通路で、ずっと立ったまま本を読んでいた人物。私服だし、スタッフには見えないが、すぐ横に女性スタッフが ( ←こいつ(いや、失礼・・・この人) も出たり入ったりうっとうしかった)座っていたから恐らくは関係者なのでしょう。クラシック音楽になんか興味無くて退屈なのはわかりますが、1人関係無いことをやってるのが居ると物凄く目立つんたよなぁ。 今度から2階センターブロックの一番後方にしてくれ。

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入場

いつも興味深く拝読させて頂いております
>その存在意義は認めるけれど、どうしても心からそれに浸ることはできない。
この部分に強く共感いたします
児童合唱の入場は少なくとも第1部と第2部の間にすべきであったと思います

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