2017-03

2016・9・30(金)アリス=紗良・オット ピアノ・リサイタル

      東京オペラシティ コンサートホール  7時

 満員の聴衆を集めての来日リサイタル。前半にグリーグの「抒情小曲集」から、「春に寄す」や「トロルドハウゲンの婚礼の日」など12曲、および「ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード」。後半にリストの「ソナタ」。アンコールはグリーグの「山の魔王の宮殿にて」というプログラム構成。

 ホール内は、照明を落し、ほとんど暗黒に近い状況。ピアノの白い鍵盤が白色の明かりの中に照らされ、純白のドレスを着た妖精のような雰囲気のアリスが音楽に没頭するという光景は、何か神秘的な宗教的儀式の、祭壇にぬかづく美しい巫女の祈りのようなものを感じさせる。
 しかも後半のリストのソナタでは、一転して魔女のような漆黒のドレスに身を包んで現れたので、作品本来の魔性的な性格と激しい演奏とが相まって、今度はワルプルギスの祭典の如き雰囲気となった(こういう視覚的な効果をつくり出す趣向は、ナマの演奏会ならではもので、大いに面白い)。

 で、演奏は? 前半での優しい愛らしさ、後半での激烈な気魄、その対比の見事さは、全く鮮やかなものだ。彼女の中にある天使と悪魔が、二つながら姿を現わした一夜といえるだろう。
 ただ、今夜の演奏を聴いていて、それぞれなにか一つ、物足りなく感じられるところがある。非凡な才能を持った彼女のことだ、日を経ずしてそれらを手に入れることだろう。

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