2017-11

2016・9・22(木)横山幸雄のベートーヴェン・ピアノ協奏曲全曲演奏会

     東京オペラシティ コンサートホール  2時

 ベートーヴェンのピアノ協奏曲5曲を、番号順に、「第2番」以降は休憩を20~40分ずつ入れながら演奏。「第3番」以降を聴く。

 こうして並べて聴いてみると、ベートーヴェンのピアノ協奏曲が、作曲時期を追うごとにスケール感を増し、かつヴィルトゥオーゾ性を強めて行った様子が改めて実感できるというものだ。
 それにしても、横山幸雄教授の指の回りの何と速いこと。たとえば「第4番」第1楽章のカデンツァにおけるように、完璧に均一化された音が流麗な曲線を描くさまなど、全く見事なものである。

 ただ、最後の「皇帝」に入ってからは、第1楽章の中ほどで少し集中力が希薄になったのか、思わぬ出来事が起こったりしたが・・・・。
 こういう大プロジェクトでは、最後の曲がえてして鬼門になるものだ。かの大歌手ヘルマン・プライでさえ、かつて東京でシューベルトの歌曲集の大ツィクルス(これは感動的だった!)をすべて暗譜で歌った時、文字通り最後の最後、「白鳥の歌」の最後の1曲、終りまであと数十小節という個所で突然集中力が途切れ、歌が止まってしまったことがあったほどだから。

 協演したのは、「トリトン晴れた海のオーケストラ」(第一生命ホールを拠点とする室内オーケストラ)で、矢部達哉をリーダーとして都響はじめ各楽団の腕利きメンバーが集まった楽団である。その上手いこと、巧いこと。
 コンサートマスター矢部のリードで演奏しているのだが、あるパートの音を漸強で膨らませたり、デュナミークの変化を強調したりといったような精妙な趣向は、誰が指示してつくっているのか、聞きたい気がする。なまじ変な(失礼)指揮者が振るより、楽員がそれぞれ自発性を以って演奏したほうがよほどいい演奏になる、という好例だろう。
 終演は6時半過ぎになった。

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